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株式会社マツヤスーパー

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変化の時代だからこそ光る!アナログ力(りょく)  マツヤスーパー社長の目に映る「勝機」

ステイホームが推奨される昨今、ライフラインとして意義が再評価されているのがスーパーマーケット業界だ。「これからはアナログ仕事がますます強みになる」と業界トップクラスの株式会社マツヤスーパーの中山保彦社長は将来をこう見通す。

インタビュイー

中山保彦

中山保彦 代表取締役社長

京都生まれ。自動車ディーラー勤務後、縁あってマツヤスーパーに就職。「車に比べると小さい商い」と感じたが、先輩方に学ぶうちに流通業のおもしろさに気付く。今も毎日店舗や他業種の動向を見て歩き、皆の話を聞く気さくな人柄。社員からの人気も高い。

※肩書・プロフィールは取材当時のもの


 京都・滋賀に9店舗をもつ株式会社マツヤスーパーは、地元密着を貫く量販店だ。決して店舗数は多くはないが、店舗当たりの年間売上高は約25億円と全国トップクラス。スーパーの全国平均の14〜16億円をはるかに上回る、極めて生産性の高い超優良企業だ。

 学生のあいだでは流通業界は、今後真っ先に人が不要になるイメージが強い。実際はどうなのだろうか?


「AIはまったく脅威ではありません。なぜならマツヤスーパーは人を相手にするアナログ仕事が大半を占めるからです。世の中の動きをキャッチし、ニーズに応えるのがマツヤスーパーの仕事。社会や経済を動かすのも、実はこのアナログの力です。逆にこれを磨けば、どんな時代でも活躍できる大きな強みになるのですよ」。こう話すのは中山保彦代表取締役社長だ。

 マツヤスーパーの好成績は時代の追い風による一時的なものではない。好成績をあげるマツヤスーパーの戦略にも、「とことん相手の立場で考える」徹底したアナログの視点がある。

 まずは顧客の快適さを追求した店舗づくり。「地域密着」型で「適正規模」。商圏わずか1〜2km。600坪で約150台入る駐車場がお客さまがストレスなく買い物ができる最適な規模というのがマツヤスーパーの方程式だ。品ぞろえも顧客ニーズを最優先、「普段の食事の材料と生活に必要な日用雑貨」に絞り込み、混雑や不公平感を生む「週末特売」や「タイムセール」も基本は行わない。普段の値ごろ感や鮮度、豊富な品ぞろえなど、日常の安心を届けるのが使命と考えるからだ。

Point1 家庭内で必要な品を最適に届ける

 1〜2㎞以内の商圏で最強を目指すには、「適正規模」と「最適な品ぞろえ」が不可欠だ。店舗面積約600坪で常時約150台の駐車場完備。毎日の食事に必要な生鮮食品や牛乳、豆腐などの日配品、惣菜など売れ筋が豊富にそろう。普段の値ごろ感や鮮度感を大切にするからこそ、多くのお客さまに支持される。

 一方で、ハードのIT化でも業界他社の先をいく。売れ行きを把握する電子棚札を導入し、商品は自動発注。ルーチンワークは機械に任せ、人がするのは「お客さまに喜んでもらう」アナログの部分だ。海産や青果、精肉、惣菜、レジなど部門ごとに「価値あるものを提供しよう」と、独自性のあるサービスを展開。同じ商品でも、切り方ひとつで売り上げが変わる。自分たちの工夫や努力が成果に表れる。だからこそ、やりがいやおもしろさがあるのだ。

Point2 大根の切り方ひとつで売り上げが変わるのがおもしろい

大根を半分にして売る場合、マツヤでは下の部分を大きめにカットする。大根はしっぽに近くなるほど辛味も強くなり、生食には向かないため、ちょうど半分では不公平感が生じるからだ。切り方を変えることで不満が解消され、売り上げも倍増。「買う人の立場で考える」センスはアナログならでは。

 社員が笑顔で働けるのは、利益を給与など待遇面に還元し、年間休日取得率100%と、「しっかり働きしっかり休む」職場環境であることも大きい。「社員のモチベーションが高ければ、お客さまに喜ばれ、さらに業績があがるでしょう? そんな好サイクルで安心・安定の経営を実現しているのです」。

 変化の時代だからこそ、「食」の流通は、社会的な使命を担う堅実な商売だ。究極の地元密着型ゆえ、異業種からの参入も脅威ではなく、むしろリアル店舗は人が交流できるインフラの場としても注目されている。「人を相手にアイデアを出し、動く仕事は今後ますますおもしろくなる。ぜひ一度、見学に来てください」。

Point3「五感で味わう楽しみを、人間は捨てない」

食べることは人間の本能であり、生きる力だ。このためいくら栄養補助食品が進化しても、五感で味わう楽しみを人が捨てることはない。旬を感じる香りや味わい、鮮度、つくりたての匂いや温かさなど五感に訴える品ぞろえは、お客さまに心豊かな日常をお届けするマツヤスーパーの使命でもある。

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