インタビュアー
清水愛 京都工芸繊維大学 工芸科学部 応用生物学課程4年生
就活を経験後、大学院への道を選択。先端ファイブロ科学専攻。
インタビュイー
新海陳秀 物流システム部営業技術課
東京農工大学で機械システム工学、大学院で生物機能システムを学ぶ。2019年入社。マッチングへの満足度100%!
岩崎卓馬 SE部システム技術課
大学ではハードウェア、ソフトウェアを扱ってきた。モノづくり企業を志望し、2019年入社。マッチングへの満足度100%!
※肩書・プロフィールは取材当時のもの
1893年創業、京都に本社を構える「株式会社イシダ」。世界トップクラスの計量包装機器メーカーで、メイン分野は「食」「医療」「流通」「物流」。計量器や包装機、検査機の製造・販売のほか、医薬品・食品工場の製造ラインや物流拠点でのシステムオペレーションの設計・開発・構築も得意とする。
イシダが大切にしているのは、入社してから社員が生き生きと仕事に取り組める環境づくり。そのため、採用活動では職種別採用=「マッチング採用」を実施している。就職はゴールではない。これからの人生の通過点だ。今回、マッチング採用で入社した技術職の社員2名に話を聞いた。
マッチング採用とは
イシダでは、丁寧な個別面談を実施。学生の希望や適性を総合的に判断し、職種を決定した後に最終面接に進む。
なぜ、職種別採用=「マッチング採用」を実施しているのか? その理由は「個人の幸せを一番に考えているから」。ミスマッチを防ぎ、社員が活躍できるフィールドを用意するためだ。「学生の希望」と「イシダがほしい人材」とのマッチングとなるため、お互いが未来予想図を描きやすいというメリットがある。
技術×商談~新海さんの場合~
東京農工大学で機械システム工学、大学院で生物機能システムを学んだ新海さん。イシダを選んだのは、はかりを武器にしたニッチな企業であること、食品、医薬品に携わっているため景気に左右されない安定感、そして規模がそこそこ大きい企業ながら非上場だったから。
「上場すると、会社は株主のものになります。株主の意向を気にせず顧客優先で経営をしている会社なので、社員にも優しいのではと考えました」。
人と話すのが好きな新海さんは、「顧客と直接やりとりできる技術職」を探していた。面接で提案された職種は、コンビニや卸などの物流拠点での機械を扱う営業技術職だった。
新海さんは、イシダが物流部門で活躍していることは面談で初めて知ったという。膨大な数の商品が並ぶ物流現場では、人が仕分けやピッキングをしてケースに詰め、各小売店へ配送される。しかし近年、人手不足のため効率化が求められている。
「デジタルピッキングの表示器、ピッキングカートなど機器の自動化が進んでいます。私は新しいもの好きなので、アツい業界で働けることが嬉しいですね。顧客や外部のメーカーさんたちと議論したり、システムの運用設計や提案をしたりと技術職と営業職の両方ができるのも自分に向いています」。
IT×モノづくり~岩崎さんの場合~
モノづくり企業を志望していた岩崎さん。大学ではハードウェア、ソフトウェアを扱ってきた経験から「両方できるのが自分の武器。ただ、ハードウェア寄りかなと思っていた」という。イシダの面談では「計量器を使ってITを駆使する部署がある」と教えられた。
岩崎さんは、やりたいことを追求したい性格。最先端の技術に触れられることと、製品として顧客に使ってもらえる満足感を求めて入社を決めた。イシダ社員である先輩から「人の良さ、風通しのいい社風で働きやすい」と聞いたことも後押しとなった。
岩崎さんの業務は主に2つだ。営業担当者から顧客の要望を聞き、設計・プログラミングを手掛けること。もう一つは、最新のIT技術をリサーチし、先行製品を作ることだ。最近はパソコンを使わずに情報をクラウド化するシステムを構築。小売店のレジなどパソコンがない現場の機器でも、情報を本部と一括共有することができるという。
「現在のチーム10名のうち、担当は私を含めて2名。ITの進化は日々めざましい。情報収集から試験、製品化までをスピーディーに進められるのがイシダの良さです」。
イシダは計量器メーカーとして知られるが、実はIT技術も優れている。ハード、ソフト両方に興味のある学生に注目してほしい。
「三方良し」の企業理念のもと「世の適社・適者」を目指すイシダには、「世に必要とされる製品を、自分たちで作り上げる」というマインドが浸透している。風通しのいい環境で、社員が口を揃えて「意見を言いやすい」「働きやすい」と話す。社内研修が充実、キャリアアップのための部署異動を上司に相談しやすいのもポイント。仕事満足度の高さに結びついている。