インタビュイー
山根 雅行 包装開発一課製品開発
2007年入社。神戸大学大学院自然科学研究科卒。「上下関係がなく、自由に考え、いろいろな部署と話し合いながら開発する。そんなものづくりをしています」。インド出張中のときは「仕事は問題なかったのですが、唯一の難点は食事が体質に合わず、苦労しました」。
畠山 次郎 産機システム部門欧米部米豪課
同志社大学商学部、同志社大学大学院ビジネス研究科卒。1999年入社。今春7年半のインド赴任から帰国。「自分で目標を立てて頑張る人なら、仕事も自分の成長も楽しめます」。
※肩書・プロフィールは取材当時のもの
創業130周年を迎えるイシダ。計量包装機器メーカーとして国内外シェアトップクラス、アジアや欧米など世界120カ国に事業を展開する業界のリーディングカンパニーだ。
イシダのモノづくりの基本はオーダーメイド。願客企業のニーズに合わせて開発・設計した商品を現地販売店を通して納入し、現地でカスタマイズ。難しい要望を乗り超えるには、「相手の立場を想像する力」「実現する技術力」がカギとなる。
その力はどのようにして培われるのだろうか。インドで活躍した2人の話から共通するのは、それぞれが「自己成長を大事にしている」点だった。
【エンジニア】山根さんの場合
神戸大学大学院自然科学研究科で人体の特定圧の3D解析(有限要素)を研究した山根雅行さん。包装分野で同様の解析をしていたイシダを訪問し、「自由でアットホーム。ガツガツしていないのも自分に合う」と入社を決めた。
入社後、開発・解析の仕事に取り組むなかで、自分がイシダのコア技術である「ハカリ」に無知なことに気づく。「業務に直接必要なくても、知らないことは減らしたい」と、32歳で国家資格の「計量士」を目指す。
働きながら半年間、数学や物理、法律を猛勉強し、1回で合格。この挑戦がその後の山根さんのキャリア形成につながっていく。
4年後に現部署に異動。ポテトチップスなどの食品工場の省人化に向けた包装機やシステム全般を手がけるため、大手ユーザーと接する機会も多い。
「計量に関する知識があるので、お客様が何を求め、どこが課題なのかをつかみ、的確な提案につなげることができる。努力は裏切らない。そう実感します。」
昨年末からこの春まではインドに長期出張し、新製品のトライアルを担当した。

インドは中国に次ぐビジネス大国。他社との熾烈な競合も、相手の期待を上回る提案と調整を重ね、「イシダの商品がベスト!」と高評価を得る。
「うれしかったですね。でも実は私は英語もインド料理も苦手。海外営業の畠山さんの手厚いフォローで100%の力を出すことができました」。

「富山さんにサポートしてもらって、仕事をうまく進めることができました」。
【海外営業】畠山さんの場合
その畠山次郎さんは同志社大学商学部を卒業し、イシダの「海外営業職」で入社した。
「市場規模が大きく、メーカーとして輸出競争力がある。それでいて雰囲気はゆったり。即決でした」。
欧米部海外営業やマーケティング部門で働いていた34歳のとき、「このままでいいのか」と迷いが生じる。社内報で教育支援制度を知り、手を挙げて同志社大学大学院ビジネス研究科へ。そこでさまざまな価値観と出会い、仕事を捉え直すことができたという。
「仕事は与えられるものではなく、創り出すもの。前例にとらわれず、自分がやりたいことをやろう」。
そんな姿が認められ、39歳でインドに赴任。畠山さんはお客様との信頼を築き、「イシダならやってくれる」の評判をインドの地でも広げていく。
「BtoBの事業は売って終わりではなく、次につなげることが大切。失敗してもより高い精度で応えて信用を取り戻す。相手に喜んでもらうことが基本です」。
大勢いる現地社員とのコミュニケーションは英語だ。「国が違えば、お客さまが必要なことも違います。大変でしたが、同時に勉強になりました。山根さんのような実力のあるエンジニアが日本から来てくれて、助かりました」。
インドで共に活躍した山根さんと畠山さんに共通するのは貪欲な「自己成長」と、成長の先のフィールドで「楽しんで働いている」ことだ。管理されないから成長できる。それは自由な社風で自発性を重視するマインドがイシダにあるからだろう。
求める人材について畠山さんは「好奇心とバイタリティ、『この人の悩みは何だろう』と相手に関心をもてる人。共に成長しながら働きましょう」。
山根さんは「設計はセンス。与えられた仕事をこなすのではなく、ひと工夫加えて自分の個性を発揮しようとする人に、ぜひ来てほしいですね」と話す。