サービス・インフラ系 アイデアが光る仕事人に会うのが楽しい 株式会社Fujitaka
京都美術工芸大学のユニークなキャリア教育 働くなら関東で働きたい?それとも別の場所がいい?
インタビュイー
菊田 資士 株式会社Fujitaka 取締役
関西大学卒。店舗事業本部長を兼任。
安原 梨都 経営管理部人事総務課
京都橘大学卒。営業部を経て現職。
※肩書・プロフィールは取材当時のもの
今、関東で仕事が増えている!関西人は営業マンとして活躍‼
今回は総合商社の株式会社Fujitakaが登壇。取締役の菊田資士さんが学生たちに問いかけた。「働くなら関東で働きたい?それとも別の場所がいい?」。
「Fujitakaは本社が京都ながら東京での事業展開に積極的です。なぜなら、若者を含めて人口が集中する東京・関東は今、企業にとってもビジネスの中心です。ただ、東京の人はどちらかというとおとなしくて控えめ。ユーモアのある関西人は、場をなごやかにする有能な営業マンとして、活躍が期待されているのです」。
仕事の多い東京で働くことも視野に入れて就職活動をしてほしい。質問にはそんな思いがあると明かしてくれた。
Fujitakaは、飲食店の券売機やテーマパーク施設の入退場自動改札機、商店街のアーケードなど商業・公共空間をプロデュースする、「ものづくり」の総合商社だ。企業間で取り引きするBtoB企業で、顧客には某有名アニメスタジオ美術館や水族館、大手ホテルの名前も並ぶ。
Fujitakaの営業は、お客さまから「省力化・省人化を進めたい」「繁盛させたい」などの要望や悩みを聞き、それに応える提案・解決をする。いわゆる「コンサルティング営業」のため、ものを売り込む営業ではない。一級建築士事務所として設計・施工に関わるため、建築に興味や理解のある学生も大歓迎だという。
マインドマップに、街や店めぐり、外食が「好き」と書いた学生も。菊田さん自身、街歩きや外食が大好き。その際に店舗内装やメニュー構成までじっくり観察する。
「自分が好きなことが仕事のヒントやアイデア提案に結びつき、その結果、お客さまに喜んでいただける。これが営業のおもしろさなんですね」。
続いて経営管理部人事総務課の安原梨都さんが、自身の就活や仕事について経験を語った。
安原さんは入社3年目。大学3年のとき、Fujitakaのインターンシップに参加。社風に魅了され入社し、営業部の後に人事部に配属。子どもの頃から大学まで書道を学んだ安原さんだが、書道で食べていくつもりはなかった。
「書道を仕事にはしませんでしたが、仕事で書道が活きることもあります。お客さまにお話ししたところ、お店の看板を書いてと頼まれたことも」。
なにより安原さんが書道で得たのは集中力だという。「集中力は仕事をする上で欠かせません。書道や絵、イラストなどの制作で培った集中力は自分の最大の強みになります」。
年齢も近い安原さんの話に心を動かされ、大きくうなずく学生たち。菊田さんはこんな言葉で締めくくった。
「仕事を探すより機会(チャンス)を探せ。仕事を職種、勤務地で絞ると限定される。仕事は需要があるところに広がっています。そこにアクセスする機会を逃さずに活用しましょう」。
たとえばインターンシップも、自分の視野を広げる絶好のチャンスだ。勤務地や職種、当たり前だと思っていた価値観を見直してみる。
「出会った企業が自分にマッチする、1回も行ったことがない街だけど住んでみると楽しいなど、世界は思った以上に広がるはずです」と菊田さん。
全2回、講師陣とマインドマップに真剣に書き込む学生の姿があった。学生にとって今回の講義は、自分と社会をつなげる貴重な経験になったようだ。
コラム
Fujitakaは「繁盛店づくり」を使命とする総合商社
1975年設立。商業施設のデザイン・企画設計から施工、保守サービスまで、トータルで商空間をプロデュースする総合商社。使命は「商売繁盛のお手伝い」。これをモットーに①モノづくり②ソリューション(課題解決)③店づくり④メンテナンス––を柱として多岐にわたる事業を手がける。SDGsで注目される木造建築の無人コインランドリーや太陽光発電、商店街アーケード、入退場ゲートを手がけるほか、ドローンスクールも運営中。