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株式会社マツヤスーパー

マツヤスーパーが京都産業大学で講義!いろんな社員といかにうまく働くか?

「地域一番店」として支持されるマツヤスーパー。1店舗あたり年間平均売上高27・1億円と、業界トップクラスの売上を誇る。今回は、マツヤスーパーが「現代社会とキャリア」(木原 麻子先生)の講義に、ゲストとして登壇。講義の一部を紹介する。

インタビュアー

木原 麻子

木原 麻子 京都産業大学 現代社会学部

インタビュイー

横山 康介

横山 康介 マツヤスーパー 常務取締役

仕入れや商品部、店長を経て4年前から現職。経営・運営に関わる。

髙谷 歩

髙谷 歩 マツヤスーパー 人事総務部部長

バイヤーを経て現職。全国の商品に詳しい。人の育成に関わる。

※肩書・プロフィールは取材当時のもの


何のために働くのか? 自分自身に問いかける

京都・滋賀に8店舗をもつ、マツヤスーパー。創業以来黒字経営を続けていて、同社の1店舗あたりの年間売上は27・1億円。全国スーパーマーケットの店舗平均年商約15億円をはるかに上回る実力派企業だ。

今回、マツヤスーパーの横山康介さんと髙谷歩さんが京都産業大学現代社会学部の「現代社会とキャリア」(木原 麻子先生)の講義に、ゲストとして登壇した。講義の一部を紹介する。

冒頭、髙谷さんは数字でマツヤスーパーの現状を紹介。特に注目すべきは、今年度大卒初任給は約25万円と、大企業平均より高給なことだ(※)。髙谷さんは理由をこう説明する。

「お客さまに喜ばれることを日々愚直に行う。すると、売上が上がり利益が出る→給与や設備投資に回し、働くみんなで分け合う→みんなの意欲が上がり、さらにお客さまに喜ばれる。そんな望ましい循環の実現を、マツヤスーパーでは目指しています」。

ここで横山さんは学生たちに「みなさんは何のために働くのですか?」と問いかけた。働く目的はお金のためだけではない、と言う。

「私にとっての『働く』は自分が成長できる、が答えです。仕事に全力で取り組み、試行錯誤をしながら実績を積む。するとその過程で自分の世界が広がって、成長が実感できます。いまは情報過多で、闇雲に迷わされがちな時代です。まずは、本質に目を向け、『何のために働くのか』を自問し続けてください」。

(※上場企業平均は23万9078円。一般財団法人·労務行政研究所「2024年度新入社員の初任給調査 東証プライム上場企業152社の速報集計」より。)

協力の仕組みと使命の共有でいろんな人をまとめる

マツヤスーパー雇用形態の割合(正社員18%、パート44%、アルバイト22%、嘱託14%、技能実習生2%)

授業中、学生からは「正社員の役割」について質問が出た。マツヤスーパーは正規雇用の社員の他に、パート・アルバイト、嘱託、技能実習生などといった雇用形態の人がいる。いろんな人といかにうまく働いていくのか?どうやって人をまとめていくのか知りたいという問いだ。

マツヤスーパーでは「協力の仕組み」と「使命の共有」による、チームワークの実現を大切にしている。

まずは「協力の仕組み」を整えることだ。マツヤスーパーは積極的な設備投資で仕事を簡略化、マニュアルを完備し、充実した研修を実現。やる気次第で賃金も上がる。その意識を社員に根付かせ、非正規雇用の人も働きやすい環境を整備したのだ。

「いろんな働き方を選ぶのは家庭との両立といった事情があるからで、能力の違いではありません。雇用形態にかかわらず、相手の成長を願うスタンスを会社が示し、仕事を公平にジャッジすると、協力も得やすくなります」。

さらに、「使命の共有」により、社員がまとまることができる。「マツヤスーパーの使命は『普段の食生活を満たし、購買頻度の高い日常生活の必需品を販売する』です」。

この使命を共有するために、ミーティングが積極的に行われている。雇用形態や役職が違っても、積極的に提案を挙げられる社風がある。みんなで話し合ったことを実践することで、使命はより浸透していくのだ。

「協力の仕組み』と『使命の共有』。これがチームづくりには欠かせません。いろんな人が同じ目標に向かえると、うれしいものです」と横山さんは話す。チーム作りに全力で取り組むことを通じて、自身が成長してきた人ならではの、実感にあふれる言葉だった。

第一線の社会人の講義で「働く」への理解を深める

社員の距離感やコミュニケーション。福利厚生、新規出店の方針、求める人材像……。質問に、横山さんと髙谷さんは言葉を尽くして答えていく。

「みなさんの将来は可能性にあふれています。根底の目的を問い、成長し続けていってください」との温かいメッセージで、講義は締めくくられた。

終了後、学生からはさまざまな感想が寄せられた。『正規雇用と非正規雇用の能力の違いはない』との言葉に、自分自身の『正規雇用のほうが上』という思い込みに気づいた」といった声や「『何のために働くのか』を考え直そうと思った」といった感想。示唆に富む時間となった。

仕事が拓く自分の未来。第一線の社会人による講義は、学生が「働く」を俯瞰する、またとない機会となった。

正社員が主導して、さまざまな働き方の人と協力していく。

正規雇用のいわゆる正社員の他に、パート、アルバイト、嘱託、技能実習生といった、短時間または短期間雇用といった非正規雇用の形態がある。正社員はみなが働きやすい仕組みづくりをするのが仕事だ。具体的には、研修や現場での育成、仕事のマニュアル化やシフト調整のほか、仕事の確認や会議の場でのコミュニケーション。いろんな人が力を合わせて働くために大切なのが「協力の仕組み」と「使命の共有」だ。

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