商社・流通・小売系 アイデアが光る仕事人に会うのが楽しい 株式会社Fujitaka
株式会社Fujitaka×明治学院大学 教えるというスキルは社会でどう役立つのか? 「教職概論」を受講中の学生の疑問に答える
インタビュアー
呉 玲奈 『おっちゃんとおばちゃん』副編集長
インタビュイー
菊田 資士 株式会社Fujitaka 取締役/店舗事業本部長
安原 梨都 経営管理部人事総務課
※肩書・プロフィールは取材当時のもの
人事とものづくり。教育での学びは役に立つ
1863年の創立以来、日本のグローバル教育を牽引してきた明治学院大学。心理学部教育発達学科の「教職概論」の授業は、教育学や心理学、障害科学を学ぶ約100人の学生が受講した。
株式会社Fujitakaからは取締役の菊田資士さん、経営管理部人事総務課の安原梨都さんが登壇し、まずは菊田さんが会社を紹介。
「Fujitakaは飲食店の券売機やテーマパーク施設の入退場ゲート機、商店街のアーケードなど商業・公共空間をプロデュースする、『ものづくり』の総合商社です」。
安原さんは入社3年目。社風に魅了されて入社し、営業部を経て人事部に。
「人事は採用や社員教育、人材管理と『人』に向き合う仕事です」。
年代が近い安原さんの話に、ぐっと身を乗り出す学生たち。安原さんは企業説明会やインターンシップ、就活サポートほか、新人研修・フォローアップ、広報を担当している。
「現在は、学生や社員に会社の方針や社会人としての心得を伝え、教える仕事をしています。人事の業務には教育的な要素がたくさんあるのです」。
また、社員の話に耳を傾け、その人のよさや提案を引き出し、社員をまとめるのも、人事の役割という。
「大事にしているのは『多様な価値観』です。私自身も、社員教育や仕事の現場で、視野が広がっています」。
菊田さんは「ここで言う多様な価値観とは、それぞれが大切にする判断基準のこと。我々のものづくりには、まさに多様な視点が必要です」と話した。
たとえば、障がいのある方々の視点に立ち、駅の車いす用階段昇降機の開発に参画。今では、駅だけではなく授産施設や大学などへの設置も広がっている。そのほか、介助者なしで利用者が自ら操作できる「利用者運転」という新たな展開にも着手するなど、民間の立場から「社会で誰もが暮らしやすく、幸せに生きるには何が必要か」を考え、解決している。教育学や心理学、障害科学での学びは、ビジネスの視点が変わることにつながると菊田さんは話す。学生たちは初めて聞く話も多く、真剣に聞き入った。
幅広いものの見方を学べばどこでも通用する
続いて、本誌『おっちゃんとおばちゃん』副編集長の呉玲奈も登壇。呉は教育学部卒ながら、教師ではなく編集職を選んだ事例だ。本誌では「年齢を重ねても仕事が楽しい」という価値観を共有する企業とともに誌面をつくっていることに触れ、独自の見解を述べた。「ものの見方を学ぶのが、大学の学問。学んだことが自分の力になります」。
続いて、事前に学生から寄せられた質問に菊田さんが答えていった。
——営業職について教えてください。
「Fujitakaは、ものを売り込む営業ではなく、相手の悩みを聞き、それに応える提案・解決をする、いわゆる『コンサルティング営業』。相手の企業ごとに営業する商材は変わります。自分で考え、行動できるおもしろさがあります」。
——京都の企業がなぜ東京採用を?
「Fujitakaは関東圏でも多くの仕事を手がけています。東京で働きたい優秀な人材を求めています」。
——教育系の学部・学科の出身でも、企業で活躍できますか?
「もちろんです。教育は人が相手。幅広いものの見方や人への接し方を学んだ学生は、どこでも通用します」。
菊田さんは大学時代に映画に夢中になった。それが仕事相手のアイデア提案にも結びついているという。
「大学で取り組んだ経験は就活や働く上でも必ず役立ちます。ぜひ全力でやり遂げてください」と学生たちに熱いエールを送った。学生たちにとって、視野を広げる貴重な機会になった。
学生たちの感想
自分が学んだ分野とは別の分野に就職し、活躍している方も多くいるということがわかった。