18歳~30代のための働くについて考えるWebマガジン

株式会社マツヤスーパー

学生と社会人の目線ってどう違うの? プロの力を借りて挑戦!! 業界研究

就活で必要とされることの多い「業界研究」。でも、何を軸に調べていけばよいのだろうか。就活中の学生2人が、1店舗あたり年間平均売上高27.7億円と、業界トップクラスを誇るマツヤスーパーを訪ね、プロの見方を聞いた。

インタビュアー

仲野 萌香 龍谷大学 社会学部4年

建木 紫邑 京都芸術大学 情報デザイン学科4年

インタビュイー

髙谷 歩 マツヤスーパー 人事総務部部長

※肩書・プロフィールは取材当時のもの


小売業界に興味のある建木さんと、業界研究に悩む仲野さんがマツヤスーパーを訪問。各々が縦・横に異なる評価軸を設定して、スーパーマーケットの具体的な名称をマッピングしながら議論した。

まずは建木さんが分析を披露(下図)。縦軸に「成長性」、横軸に「新しいことをしているか」を設定。よく行く店を中心に分析を進めるも、途中で手が止まりがちに。「『成長性』は何を見て、どのように比較したらいいですか」と建木さん。

図1(建木さんの分析)

そこに、マツヤスーパー人事総務部部長の髙谷歩さんがアドバイス。指摘したのは、業界分析における、軸の設定の難しさだ。

「実は、食品を扱う小売店は、高級志向から激安販売店のようにさまざまなマーケティング戦略があります。『1店舗あたりの床面積、売上や荒利益』もマーケティングによって違います。つまり『成長性』という軸は、数字で比較しにくい。建木さんが迷うのは当然だと思います」。

建木さんは「なるほど、小売店といってもマーケティングによって異なる。『成長性』は一概に分析しにくいのですね」と理解が進んだ様子。

ここで横軸の、新しいことをしているか、について質問する仲野さん。

「私にとってスーパーマーケットは、日常の食品を買うところ。『新しさ』を感じる要素はあまりない気がします」。

それに対して髙谷さんは「意外ですね。スーパーマーケットには新商品が多く並びますよ。日常の食品なのでわかりにくいのかもしれません」。

髙谷さんの言葉にハッと気づく学生たち。建木さんが選んだ縦軸の「成長性」、横軸の「新しいこと」は、人によって多様に解釈ができるから、業界分祈が難しくなってしまったのかもしれない。また、縦軸と横軸の設定を変えることで、異なる世界が見えてくるのかも……? 髙谷さんの問いかけは、学生たちが軸というものを深く考えるきっかけになった。

相談しながら、業界分析に取り組む2人。「これまでは自分1人でやろうとしていましたが、なにから始めればいいのかわかりませんでした。今日、業界分析の方法がわかったのは、大きな収穫でした!」

【発見1】 縦軸と横軸を変えると異なる世界が見える

続けて仲野さんが「価格が縦軸、横軸が地域性」で分析すると、建木さんとは異なる配置になった。髙谷さんは「仲野さんは消費者の目線ですね。でも小売店は、多様な軸で分析できるおもしろさもあります。私はお店側に立って、軸を立ててみましょう」。髙谷さんが設定した縦軸は「回遊性」、横軸は「日常と非日常」だ(下図)。

マツヤスーパーを「回遊性が高く、日常的に行く」のトップに掲げ、「われわれが目指すのはこのポジションです!」と、髙谷さん。マツヤスーパーと同じく、横軸が「日常」のエリアを示す店でも、企業ごとにお客さまの動線はさまざま。店内が雑然としてカートを押しにくい店は、髙谷さんは回遊性が低いと判定。また、珍しい商品を陳列する、個性的でたまに行く店の横軸は「非日常」に配置した。

図2(髙谷さんの分析)

【発見2】 いろんな軸があるのが小売業界。だからおもしろく、難しい

髙谷さんはこう話す。「マツヤスーパーが目指すのは、お客さまの『普段の食を支えるなじみの店』です。そのため、いつも新鮮で欲しい商品が並び、外周通路は広く、品物は手に取りやすい高さに配置。スタッフも親切を心がけます。横軸では『日常』のエリア、縦軸では『回遊性が高い』エリアに位置することを大事にしています」。

また、「いつも買う商品が、ちゃんとある」。これが地域密着型のマツヤスーパーのモットーと語る髙谷さん。「『変わらないこと』も、われわれが考える価値なんです」。

その言葉に学生たちはハッとし、「『変わらない』って、日常的に訪れる店の重要なポイントですね」と仲野さん。建木さんは「目指す軸が多様にあるのだと、気づきました」と感心した。

「自分が何を重視して軸を作り、分析したのか。言語化できるかが大切です。これは単に業界研究だけでなく、みなさんがこれから仕事を選ぶ上でも、役立ちますよ」。髙谷さんはエールを送るように、2人にアドバイスして締め括った。

消費者目線で選ぶ仲野さんの配置に、「私とはまったく違う」と驚く建木さん。

同じカテゴリーの記事

ここだけのおじおば対談! サウンドロゴで社員の心がひとつに

株式会社サンパック

REPORT! Fujitaka✕濱中倫秀先生 台湾製かき氷機のプロモーションに、学生が挑戦!

株式会社Fujitaka

想像超えの福祉法人 vol.1 南山城学園×サードプレイス

社会福祉法人 南山城学園
株式会社たまゆら

学生が会社を訪問! 仕事着・ユニフォームの専門商社株式会社たまゆら

株式会社たまゆら