サービス・インフラ系 社員が個性的アイデアが光る仕事人に会うのが楽しい 社会福祉法人 南山城学園
想像超えの福祉法人vol.2 南山城学園×「福祉」のイメージ
インタビュアー

木村 大地 龍谷大学 社会学部コミュニティマネジメント学科 3年

仲野 萌香 龍谷大学 社会学部コミュニティマネジメント学科 4年
インタビュイー

西川 慧人 障害者支援施設 魁(さきがけ)生活支援員

吉村 佳奈子 法人本部事務局 企画広報課

今後 芙泉 法人本部事務局 企画広報課

田中 胡太郎 法人本部事務局 企画広報課
※肩書・プロフィールは取材当時のもの
大変そうに見える仕事は福祉の仕事のすべてではない
緑豊かで広大な敷地に足を踏み入れた学生2人は「なんてスタイリッシュな建物」と目を見張る。明るく爽快な吹き抜け。想像していた福祉施設のイメージとは違ったようだ。
学生のひとりは、祖母のために介護施設を見てまわった経験があり、「体が不自由な人の排泄の世話が大変そう」という印象を受けたと話した。
そんな学生の問いに対して、入職3年目の西川慧人さんはこう答える。
「人間は生きている限り食事もすれば排泄もします。僕もあなたもしますよね。そのなかで、食事ではなく排泄介助だけがクローズアップして注目されがちですが、それは福祉の仕事のすべてではありません。『目の前の人の人生を支えること』が、私たちの仕事の本質です」と熱を込める。ちなみにこれまで西川さんが3年勤めた間に利用者さんの排泄の失敗が起こったのは1〜2回程度という。
田中胡太朗さんも「もちろん利用者さんのなかには排泄に失敗する方もいます。なにもわからない就職面後は、私も心理的な抵抗がありました。でも、正しい手順を知れば、業務の一環として慣れていきます」と話す。
「たとえば、半身まひの人が一人で服を着ると2時間かかるけれど、僕らが介助すれば10分で着られる。そういった日常のちょっとした支援で、その人が本当にしたいことのために時間を使うことができます。服を着ることも食事も排泄も、人間が質の高い人生を過ごすために、等しく必要なことです。そう考えると、やっぱり介助するべきだという思いに行き着くんです」と西川さんは続ける。
これには学生2人も「なるほど! 自分が偏ったイメージを持っていたことに気づきました」とうなずいた。

大学時代は高校サッカー部の指導をする。
会社勤務を経て社会福祉士の資格をとり、南山城学園に入職。
嘘や付度がない利用者さんと真摯に向き合えるのがおもしろい
そうはいっても現場に行くと驚くこともある。西川さんが最初に配属された施設では、壁をどんどん叩いて大声を出す利用者さんがいた。
「初めてその様子を見たときは、僕もびっくりしました。でも、それはなにかへの攻撃ではなく『お腹がすいた』という表現だと、気づいたのです」
一見、不可解に見える行動は、記録を取って法則性を探り、チームで共有して理由を分析する。理由がわかれば、解決策も見えてくる。
「言葉が通じないときは、言葉以外の方法でコミュニケーションをとる技術もあります。利用者さんが笑ってくれると、伝わった! という喜びがありますね」と西川さん。
また利用者さんは、嘘やおべっか抜きに本当の感情を出してくる。夜動終わりに帰ろうと歩いていたら急に利用者さんに「西川さん、好きやで。ありがとう!」と言われたこともある。
「ここには人と人との真撃な関係があります。それに向き合うのが福祉の仕事特有のおもしろさですね」。企業勤めの経験と比較して、西川さんは教えてくれた。
「西川さんが、利用者さんのさまざまな行動を含めて、おもしろいと受け止めておられることに発見がありました。そういった感性がある人が福祉業界に向いているんでしょうか?」と学生が聞くと、入職4年目の今後芙泉さんは「そうかもしれません。私も学生のとき、社会人はしんどいと思い込んでいたけれど、逆でした。ここに入職してみたら毎日が楽しいんです」と言う。また入職1年目の吉村佳奈子さんは「部活のマネージャーをしていた私には、適性があったと感じます」と話す。人をサポートして成功を一緒に喜べる人は、この仕事に向いているそうだ。
「そもそも『仕事はつらいもの』と思い込んでいました。福祉業界で、『おもしろい』『楽しい』という言葉が聞けるのは意外でした」と学生2人は驚きを隠せない様子だ。

吉村さんは新採職員で企画広報課に配属。
今年度の新卒採用人数は約40人。
利益を追求しない福祉法人でも給与は一般企業とほとんど変わらない
西川さんは一般企業で働いた経験もある。「株式会社だったんですが、売り上げと効率を追求する組織でした。お客さんの幸せのためではなく自分の数字のために仕事をするのがしんどくて」。そして目の前の人に深く関われる仕事がしたい、と南山城学園に入った。
利益を追求する株式会社に対して、南山城学園のような社会福祉法人は非営利組織であり、利益は追求しない。「福祉業界は給与が低いし人手不足という報道も見たことがある。利益を追求しないなら、給与も安いのでは?」という先入観も学生にはあったが「給与は一般的な企業とほとんど変わりませんよ。ボーナスもあるし福利厚生も充実しています」と西川さん。
取材を終えて学生の感想は次の通り。「多様な意味で、南山城学園のみなさんが楽しく働いておられるのが伝わってきました。就活は一般企業だけを対象にしていましたが、もう少し視野を広くもとうかと、心が揺れています」「福祉は使命感のある特別な人が就く仕事だと思っていました。でも、この社会の全員に必要なことを、楽しく意欲的に取り組む人が支えているとわかりました」。
学生たちは、取材を通じて、自分たちの思い込みに気づいた。そして福祉の仕事の本質、そのおもしろさを発見した。


