令和7年度「京都市 輝く地域企業表彰」と「これからの1000年を紡ぐ企業認定」の式典レポート! 京都市が選んだ「輝く企業」ってどんな会社?
インタビュアー

安田さん 京都大学 理学部 4年生
学生レポーター
※肩書・プロフィールは取材当時のもの
印象的だったのが、冒頭の松井孝治市長の挨拶です。「選ばれたのは、過度の競争ではなく、地域とともに発展し、社会課題を解決しながら経営されている企業」とのこと。市場原理に基づく利益優先が、企業の姿勢だと思っていました。しかし、地域や暮らす人に寄り添い、周りの力を借りながら、ともに発展するという考え方もある。それがとても新鮮で、そこをきちんと評価・表彰する京都市の取り組みに感銘を受けました。
選ばれた企業の規模や事業内容はさまざま。子どもや学生の支援や地域活性化、自治体・企業・金融・大学との協働によるコミュニティづくり、デジタル・DX推進……。幅広い事業にその多様さを感じました。
続く交流会は、膝詰めで話し合うスタイルがユニークでした。話題になっていたのは、AIやSDGs、働き方改革など、未来を見据えた内容。この式典で、地域ネットワーク、培ってきた伝統、未来志向の風土など、京都ならではの財産や強みを知りました。表彰された2社にも話を聞きました。



美術品として、きものの魅力を発信

地域企業輝き賞
塚喜商事株式会社 代表取締役社長
塚本 喜左衛門さん
1867(慶応3)年創業の、きもの卸と西陣織メーカー。伝統を守る×チャレンジの両立の秘訣を伺うと、「不易流行(基本を変えず、新しいものを取り入れる)です」と塚本さん。
「きものをつくる職人は高齢化していて、若い職人を育成することが課題です。また、きものを着る人が減る時代に、美術品としてきものをとらえなおして魅力を発信することにも注力しています」。
具体的には丹後と四条烏丸に西陣織あさぎ美術館を設立、鳴滝と新潟十日町で友禅工房を運営し、伝統工芸の発信と職人育成に傾注しています。さらに5月には、リーガロイヤルホテル大阪に西陣織美術館がオープン。並行して、積極的に新商品も開発。販売店と共同し、卓越した品揃えで幅広い需要にも応えています。
6代目の塚本さんからは、継承発展へのゆるぎない気迫を感じました。



子どもたちの能動性を引き出すカリキュラム

これからの1000年を紡ぐ企業認定
株式会社COLEYO 代表取締役
川村 哲也さん
駄菓子店運営やラジオMC、山小屋づくりに養蜂まで! 子どもたちの「やってみたい」を応援する「能動的な学びの体験塾」を立ち上げ、この4月で10年。代表の川村さんは、立命館大学卒→広告制作会社勤務を経て、COLEYOを起業しました。子どもたちに「自ら問いを立て、発想し、実装する楽しさ=生きる楽しさ」の体験を提供するユニークな事業を展開しています。
「やりたいことに出会うために、たくさん体験をしてほしい」「競技の数が少ないから競争になる。全員に別の競技があれば、全員1等賞」と話す川村さんのものの見方が刺激的でした。
「世界の多様な楽しみ方を知ってほしい。自分の力で挑戦することを知っていれば、未来は、素晴らしいものになるはずです」の言葉に、百年先の社会に思いを馳せることができました。



コラム
地域企業未来力会議を開催
1月29日、京都経済センターで令和7年度第2回「京都市地域企業未来力会議」が開催されました。地域企業や支援機関、金融機関、学生らが集結。業種・立場を超えたつながりで経営・地域課題の解決をめざし、話し合いました。
松井孝治京都市長は、「若い世代が職人や企業と出会い、体験しながら学べる場を増やす」ことの重要性を強調。その上で、「地域の魅力や仕事の面白さを次世代へ手渡したい」と述べました。さらに、「『横の連携』と『縦の継承』を広げ、挑戦が生まれる循環をつくろう」と呼びかけました。
前半では、各企業・団体からDXの取組、地域魅力発信、事業承継支援、PBL教育、若者マッチング、人材活用など多彩な実践を共有。後半はテーマ別に分かれたダイアログ(座談会)とランチ交流会で新たな協業のきっかけを探りました。
参加者は気づきや課題を持ち寄り、次につながる連携の可能性を確認しました。


