「残業なし」で成長できる! 川十のすごい仕組み!
インタビュイー

亥子勝高さん 川十株式会社 代表取締役社長

栗原 豊さん 営業係長

水原幸紀さん 工場内作業 副班長
京都出身の29歳。鉄や機械が好きで入社6年。入社当時から雰囲気がガラリと変わったと感じる。「ルーチンではなく、自分なりに工夫や改善し、個性を発揮する、そんな人に向いていますね」。仕事をスムーズに終わらせたときの充実感が最高という。趣味はバイク。キャンプや飲み会など社内イベントも楽しんでいる。

澤井麻衣子さん 営業事務 主任
京都出身。中途入社4年。前職では残業が多く、「生活に支障が出る」と、給与もよく福利厚生もいい川十に転職をした。残業はなく毎日5時半ぴったりに退社、帰宅後は夕飯をつくったり、映画鑑賞をしたりと、プライベートも充実。「『こうしたらいいのに』と思ったら、すぐ社長に意見を言える距離です。働く上でのストレスはゼロです」。
※肩書・プロフィールは取材当時のもの
伏見区にある社屋、外観はシンプルながら、一歩中に入ると驚くほどスタイリッシュ。ユニークで遊び心あふれるおしゃれな内装に目を奪われる。でも、見た目だけじゃない、とにかく働きやすい、との声が聞こえてきた。

代表取締役社長の亥子さんは語る。
「ステンレスやアルミをはじめ、あらゆる金属材料の精密切断・加工を手がけています。お客さまは機械や部品などの産業用装置メーカー。『モノ作りの縁の下の力持ち』をモットーに、鋼材を通じて社会に貢献する企業を目指しています」。

昨今はどの企業も「在庫をもたない」が主流。在庫の保管、管理にかかる費用や売れ残りのリスクを避けたいためだ。その分、川十株式会社は自社で各種金属材料を約5000種保有し、大小各種機械で、少量試作から量産まで幅広く対応。なんと朝に受けた注文を、その日のうちに届ける「受注当日の納品」を実現させている。
また、各製品に独自のナンバーを付け、トレーサビリティ管理をすることで安心と安全を提供、現在300社以上と取引し、顧客数も需要も右肩上がりの成長企業だ。来年には新たな工場設立の計画が進んでいる。
では社員の働きやすさはどうなのだろう。実は川十株式会社は受注当日の納品にもかかわらず、「残業なし」を実現させている。
「進行状況の数値化などDX(デジタルトランスフォーメーション)を積極的に推進、製造現場の煩雑な業務をデジタル化し、在庫管理は各自が携帯端末一台でこなしています」と亥子さん。その日の仕事はその日に終えて早く帰る。それが川十の仕事術なのだ。

主な業務である切断や加工も手順を「可視化・見える化」。誰かが休んでも代われるよう、全員に技術を共有している。効率よく、ストレスなく集中して作業ができる仕組みにしている。

営業係長の栗原さんは話す。
「夕方5時半で仕事は終了。『あっというまに1日が終わった』『今日も充実して働いた!』の声が一斉にあがるんです。健康的ですよ」。
ものづくりは人づくりから始まる
亥子さんは、2019年に代表取締役社長に就任。目指したのは「京都を代表する企業になる」と「働きやすい会社づくり」だ。
在庫の種類の豊富さと、多様な切断機を保有数しているのは川十の強み。また、トレーサビリティにより徹底した品質・在庫管理を実現。
「あらゆる材質の素材を揃え、大きさも1センチ四方の小ささのから、人では運べないぐらい大きなものまで、先方の要望通りに加工切断し、必要な分だけ提供しています。お客さまの『必要な時に必要なものを持ってきてね』に応えられるのが強みです」と亥子さんは胸を張る。

切断は、角度を付けて切ったり、薄いパイプを切断したり。確かな技術のある企業として成長している。
「多品種少量の超短納期生産が実現できているので、お客様からの手応えを感じます。さらに成長していきたい」と亥子さん。
また「ものづくりの原点は、人づくりから始まる」と考える亥子さんは、「従業員ファースト」の働き方に順次取り組んでいる。「残業なし」や「年休取得率の向上」「社内交流イベントなどコミュニケーションの促進」など、明るくイキイキと働ける環境づくりを進めている。

6年前に転職し入社した栗原さんは、会社の変化について「会社の雰囲気がどんどん良い方向に変わっていくのを肌で感じました」と話す。
「一番は時間の使い方の効率化です。朝の掃除の時間も含めて、時間内に仕事が終わるようにスケジュールを設計しているため、就業時間内は集中して取り組み、その分、残業が激減。いまはあっても月に数時間程度で、休日も増え、皆が明るくなりました」。
未経験者でも働きやすいシステムを構築、新人研修ほか、ベテランから教わる講習会も多い。和気あいあいと、上下関係がないのも働きやすさにつながっているという。

「居心地がいい!」と社員から好評の社内は、ガラスのパーテーションや自然光を取り入れて、透明感と奥行き、風通りの良さを感じさせる。

天井は美術館の屋根などに使われる高級ガリバリウム鋼板、壁は石板。モノトーンの空間に、遊び心たっぷりのカラフルなグッズ。マジンガーZ、ダーツ、ヤノベケンジ、ミャクミャク等、さまざまなキャラクターが遊び心を添える。

棚には漫画の『スラムダンク』や『ワンピース』、『キングダム』がずらり。
「ど根性ものではなく、いずれもチームで助け合い、結果を出す物語。ど根性で仕事をやっていてもダメというメッセージ、願いでもあるのです」と亥子さん。

食堂兼会議室に30席ほど並ぶ椅子の、おしゃれなレッドカラーも印象的だ。移動させやすい折りたたみ式のキャンプ用品という。照明は温かみのあるランプ。壁に会議用のスクリーンが2つ。隣室は大型テレビのある休憩室、空を見ながらデッキチェアでくつろげるベランダも。随所に亥子さんの哲学が見え隠れする。
「マジンガーZは私の趣味です。コロナ禍で暇になりそうと思って制作キットを購入。これが展示会で大受け! 金属製で、でかくて、カッコいい。展示会・販路拡大のPRになりました」。
ヤノベケンジ作品に出合ったきっかけは3年前、別の会社でたまたま作品を見て、虜になったという。そんなご縁から「学生の街を応援する企画(通称:ガクマチ)」にも参加。センスのあるもの、おしゃれなものがどんどん川十に集まっている。
毎週水曜は無料ランチデイ。栄養士がつくる昼食に、営業も事務も製造も、分け隔てなくランチ、コミュニケーションで盛り上がるという。
さまざまな施策の結果、川十では社員の定着率も上がった。現在、現場15名、営業5名、事務5名、経理2名。20~30代が半数以上を占める社内は若さと活気、情熱にあふれている。

社員待望の水曜ランチ。ある日は「熱々の豚の角煮、小鉢、味噌汁、炊き立てご飯」。肉じゃが、カレー、まぐろ丼のときも。冷凍庫にはパスタやチャーハン、焼き芋など冷凍食材も完備。会社が半額負担、こちらもほぼ全員が利用している。


