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小川珈琲株式会社

小川珈琲株式会社

小川珈琲はのめり込みたくなるほど、深さのある会社でした

ユニークな地域起こしや企業研究で知られる京都産業大学経済学部の大西辰彦教授のゼミ生2名が京都市に本社がある小川珈琲株式会社の総合開発部商品開発課を訪問。商品開発の仕事について取材しました。

インタビュアー

平岩 朋佳

平岩 朋佳 京都産業大学 経済学部 3年生

西岡 すぐり

西岡 すぐり 京都産業大学 経済学部 3年生

インタビュイー

榊原 健太

榊原 健太 小川珈琲株式会社 総合開発部 商品開発課

1996年、愛知県生まれ。岐阜大学工学部卒。学生時代にコーヒーに興味を持ち自家焙煎の店でバイトをしたのをきっかけにのめり込み、小川珈琲に新卒で入社した。

※肩書・プロフィールは取材当時のもの


関わる人たちと自分の思い。商品となった喜びはひとしお

京都に本社がある小川珈琲株式会社は、産地の訪問から、カフェなどに卸す業務用や、スーパーで販売する家庭用の商品開発、販売などを行なう、全国でも数少ないコーヒーに特化した企業だ。今回は商品開発課の榊原健太さんに話を聞いた。

「商品コンセプトはどのように決めるのですか」と平岩さんが聞くと「まず性別、年代、属性、SNSを使うかなど対象を設定。続いて他部門と連携して形にします。開発件数は業務用と家庭用を合わせて、年間100を超えます」と榊原さん。

「たとえば40代の働く女性をターゲットにした〈ASUE(明日へ)〉という商品は、アクティブとリラックスの2種の味わいで開発。包材もアクティブは元気な黄色、リラックスは落ち着いたグレーにしました」と榊原さんは説明しながら、別の商品を手に取った。

ASUE Fairtrade coffee:<>持続可能な社会を実現するために開発。有機JAS認証・国際フェアトレード認証のコーヒーを使用、商品の売り上げの一部を支援活動に寄付している。

「〈京珈琲〉は京都らしさをテーマに開発。ターゲットは京都在住の方で、自分が飲むだけでなく、プチギフトとしてプレゼントに使っていただけるよう、水引のデザインを入れました」。

京珈琲:「日常の中で少し贅沢な時間を過ごす」がテーマ。水引のようなデザインを採用することで、小さなプレゼントにも使えることを想定。

「コーヒーにはライバルも多いですよね。他社との差別化は?」との西岡さんの質問には「まず、味がおいしいこと。つまり、コーヒーの質です」と榊原さん。もともと創業者が本物のコーヒーを提供したいと始めたのが小川珈琲の原点。それを貫いている。

一方で苦労もある。「会社には、経営者や営業担当、立場が違うそれぞれの思いがあります。商品化は自分の一存では進みません。関わる全員の思いを調整するのは大変です。でも形になったときの喜びはひとしおです」と榊原さんは熱を込める。自分が苦心した商品を店頭で見かけたときは心底うれしく、商品開発の醍醐味を感じる。

コーヒーに魅了された珈琲職人の向上心をサポート

 工学部出身の榊原さんは「好きなことを仕事にしたい」と考えて、あえて大学の専門を活かさない小川珈琲に新卒で入社した。

「それほどまでに榊原さんをのめり込ませる、コーヒーの魅力とは?」と西岡さんが聞くと「学生のときに勉強に失敗して落ち込んで、飲んだ一杯のコーヒーの味に涙したのが僕の原点。コーヒーは、心を支える存在です。またコミュニケーションを生み出す媒体でもあります」。

バリスタ競技会で、世界大会を目指す榊原さん。「コーヒーは深い。その世界へ入ろうとする人にはしっかりサポートしてくれるのが、小川珈琲という会社なんです」と話す。

岩さんが「榊原さんがのめり込む、コーヒーというものの深さが少しわかりました」と述べると、西岡さんも「向上心に感銘を受けました。私も好きなもの を見つけて仕事にしたいです」。

貫して、榊原さんのコーヒーへの情熱が伝わってきた。小川珈琲は、はたらく人がのめりこめる環境を創出している会社なのだ。

コラム

小川珈琲株式会社とは

1952年創業のコーヒー製造会社。理念は「私達は珈琲職人として、未来をつなぐ本物の価値を創造し、真心を持ってお届けする」。珈琲文化を未来につなぎ、コーヒーを通して持続可能な社会に貢献していくことを目指す。

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