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株式会社マツヤスーパー

株式会社マツヤスーパー

アルバイト先で聞いた!日々の仕事と経営はつながっている!

業界トップクラスの売上高(1店舗あたり)を誇るマツヤスーパーに「経営のおもしろさ」を聞いた。目の前の業務と経営の密接な関係に、学生たちは「見方がガラリと変わった!」と驚きの声をあげた。

インタビュアー

大見 悠真

大見 悠真 京都産業大学 現代社会学部3年

マツヤスーバーの惣菜部門でアルバイト中。

細川 零偉

細川 零偉 関西国際大学 経営学部2年

接客が好きで、外資系小売を志望している。飲食店のホールでバイト中。

インタビュイー

髙谷 歩

髙谷 歩 マツヤスーパー 人事総務部部長

お菓子と酒が好きで入社。バイヤーを経て現職。「仕 事を選ぶには『好き』が大事。一生楽しく働けますよ」。

※肩書・プロフィールは取材当時のもの


売上高は何によって生み出されるのか?

京都・滋賀に8店舗を構え、業界トップクラスの実力を誇るマツヤスーパー(記事末尾のコラム参照)。高い売上高で同業他社を圧倒するのはなぜか?その秘密を聞きに訪問したのは、小売業界を志望する学生、同社でアルバイトをする学生だ。

学生からの「高い売上高を実現する理由は?」との問いに髙谷さんは話す。

「お客さまの像を明確にすることです。マツヤスーパーの対象は、毎日の食材を求める地域の皆さま。その方々に『選ばれる」ことを使命とし、努力を重ねています」。

選ばれる努力、そのひとつが豊富な品揃えと鮮度だ。種類はもちろん、青果や精肉、鮮魚は、店頭で売る直前に切り分ける。「夕方になっても品切れしないよう注力しています。『いつ行っても新鮮で、買いたい商品が並んでいる』信頼を大事にしているからです」。

「曜日ごとに品目を決めて、セールをしているのはなぜですか?」と同社でアルバイトをしている経験からの疑問を投げる学生。「お客さまによって、いつも購入される商品は違います。特定商品の特売だと、お客さまが愛用している商品が安くなるとは限りません。だから、「木曜日はバン」など、曜日ごとにメーカー問わず、対象品目を値引きにする方法を取っています。さらに、『安いなら』と普段買わない商品も試してみたくなる。お客さまに来店していただく理由になっています」。

商品だけではない。マツヤスーバーでは消費者の購買心理を考え抜いた売り場づくりを徹底させている。「買い物のしやすさ」にも注目すると髙谷さん。

「広い駐車場があり、店内は整理整頓され、品物が手に取りやすい、スタッフが親切でストレスを感じない。そんな店は、また来たいと思っていただける。なぜなら、売上高を決めるのは来客数 × 購入品数だからです」。

一見無関係のような店内の雰囲気も、売上高につながっているのだ。

コストはどう削減しているのか?

学生から「経営には利益だけでなくコストの観点も大切です。利益を圧迫するコストはどう削減していますか」の問いが。「いい質問です。環境問題の観点からも、コスト削減は力を入れています」と髙谷さんは説明する。

「まずは食品ロス。牛乳などの生鮮食品の場合、消費期限ギリギリで値引くのではなく、期限に余裕のあるうちに5%引いて鮮度と価格の値打ちを合わせます。お買い得だからという購入が、廃棄を減らすことにもつながるのです」。学生は「なるほど!アルバイトで、時間を細かく確認しながら、惣菜に値引きシールを貼っているのはそのためなんだ!」と納得の表情に。

「コストの削減は他にもあります」と髙谷さん。たとえば食品トレー。マツヤスーパーでは極力種類を減らし、管理コストを削減している。

「トレーそのもののコストだけではなく、労働コストにも注目します。商品ごとに入れる容器が違うと、仕事が増えます。効率化のために、なるべく同じ容器を使うようにしています」。

バックヤードでは動線を考えて働きやすさを確保、商品は電子棚札で価格変更や管理、発注も一括で行い、生産性を上げている。

「商品の並べ方を工夫すると売上増になるなど、自分の考えやアイデアが反映できるおもしろさがあります。アルバイトやお客さまの声も経営陣が目を通しています」と髙谷さん。

学生からは「値引きシールや食品トレーの工夫など、一見、目立たない地味なことの連続が、実は利益を生んでいる。その事実に驚きました」「目の前の仕事すべてに意味がある。アルバイト目線ではわからなかった考え方です」と興奮しきりだった。

目の前の業務と経営のつながりに触れた学生たちにとって、仕事、そして企業の見え方もまたガラリと変わる訪問となった。

メッセージ

マツヤスーパー 常務取締役 横山 康介さん

成長できる仕事を選んでください

マツヤスーパーに入社し、仕入れや商品部、店長を経て、現在は経営や人材育成に関わっています。仕事というものは、自分の世界を広げて、成長させてくれると実感します。知識を学ぶだけでなく、自分で考えることも大切。皆さんも自分への投資を惜しまないでくださいね。

コラム

全国トップクラスの売上高は顧客満足で生まれる

全国スーパーマーケットの平均年商が約15億円に対し、マツヤスーパーは年間平均売上高27.1億円と驚異的な売上を誇る(いずれも1店舗あたり)。秘訣は小さな努力の積み重ねにある。品切れがない、商品が豊富、通路が広く買い物カートがぶつからない――そんな配慮で「ストレスをなくす」。これにより顧客満足 = 売上増を実現。儲けは社員に還元。給与額や休日保障など働きやすさで従業員の満足が生まれる。マツヤスーパーはこの循環を大切にしている。

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