商社・流通・小売系 アイデアが光る仕事人に会うのが楽しい 小川珈琲株式会社 / 株式会社小川珈琲クリエイツ
小川珈琲株式会社は一杯の品質を上げることで、他社と差別化している会社でした ~大西ゼミの学生レポート 小川珈琲株式会社「営業部」編~
インタビュアー
白水大雅 京都産業大学経済学部3年生
白木彩加 京都産業大学経済学部4年生
吉中麻梨 京都産業大学経済学部4年生
インタビュイー
清原宏貴 小川理琲株式会社第一営業部業務第一課
1995年滋賀県生まれ。小学校のときから野球一筋。同志社大学では硬式野球部で4番打者を務める。東京の大手文具メーカーに就職するが、1年半前、 小川珈琲株式会社に中途入社した。
※肩書・プロフィールは取材当時のもの
飲んだ人を満足させる「コーヒー一杯の品質」を目指す
京都の小川咖琲といえば、その名前を冠したカフェを街で見かける人も多いだろう。小川珈琲グルーブでは、直営カフェの運営だけではなく、他者が経営する飲食店へのコーヒー豆販売も重視している。今回登場するのは、カフェやレストランなどの飲食店への営業を担当する清原宏貴さん。つまり、清原さんにとって、カフェやレストランの経営者が「お客さま」だ。
まず冒頭、「ライバル会社はたくさんあります。他社とどう差別化していますか?」と白木さんが聞くと、「カップ・クオリティです」と清原さんは即答した。「カップ・クオリティ」、つまり「一杯の品質」という言葉に清原さんはこんな思いを込めている。
「自分の顧客である飲食店で出されるコーヒーが、そこの来店客を満足させているかを大切にしています」。
味わい深く品質の高いコーヒーを、顧客である飲食店が出せているか。清原さんがチェックをし、アドバイスをする。さらに、「豆だけを売る」のではなく、「コーヒーに付随するすべて」に目を向けることが、他社との差別化になる。豆の品質はもちろん、抽出の仕方、飲食店で出されるカップの材質や、店の雰囲気などすべてが「コーヒー一杯の品質」につながるのだ。
飲食店のメリットをとことん考え抜く清原さんの営業姿勢に驚いた学生たち。続いて「会社から『利益を追求して、できるだけ高い商品を売りなさい』と指示されることはないんですか?」と吉中さんから質問が出た。
「ありません。僕は、飲食店さんの満足度を最も大切に思っています。飲食店も、そこでコーヒーを飲む来店客も、豆を売る僕らも、三者が満足することが大事。もちろん企業なので利益は重要ですが、自社だけの利益追求では関係性は続きません」と清原さん。吉中さんは「営業のイメージが変わりました」とうなずいた。
コーヒーに情熱を注ぎいずれは独立も視野に入れる
「清原さんご自身にとってのコーヒーの位置づけは?」と白水さんが聞くと「自己実現のための手段ですね」と清原さん。社会人になった清原さんは学生のときの野球のように熱くなれるものがなく、もやもやしていた。そんなとき新型コロナが流行する状況となり、徹底的に自分を見つめ直した。
「すると僕は、野球そのものより、打つためのフォーム追究が楽しかったことに気づきました」。
つまり職人的な探究が好きだとわかり、野球と同様に熱中できるものを探して探して探し回ったら、それがコーヒーだったと清原さん。
「そこで、生産地からの買い付けから販売まで一手に扱うコーヒーの会社を探したら、総合的に扱っている企業は意外と多くなかったんです。数少ない選択肢のひとつが小川物琲でした。人事の方に直談判したところ、入社できることになりました」。
自分で進む道を切り拓いた清原さん。
「今はコーヒーで日本一になりたいです。将来は自分で店舗を持つことも視野に入れています」と、清原さんは話す。
学生たちは「情熱を注げる仕事をする生き方が素敵。就活も自分軸を大切に取り組みたい」と、学びの多い訪問となった。
コラム
小川珈琲株式会社とは
1952年創業のコーヒー製造会社。理念は「私達は珈琲職人として、未来をつなぐ本物の価値を創造し、真心を持ってお届けする」。珈琲文化を未来につなぎ、コーヒーを通して持続可能な社会に貢献していくことを目指す。生産者や顧客との絆を大切にする会社として、コーヒーづくりに取り組む。