商社・流通・小売系 アイデアが光る仕事人に会うのが楽しい 株式会社マツヤスーパー
スーパーマーケットは超(スーパー)可能性のあるメディアだ!!
インタビュアー
伊藤健二 立命館大学 食マネジメント学部3年生
食べること全般のほか、健康や安全についても興味がある。
山口楓生 京都芸術大学 文芸表現学科4年生
食事と料理が大好き。大学の雑誌作りで食の取材等も経験。
インタビュイー
髙谷歩 マツヤスーパー 人事総務部部長
横山康介 マツヤスーパー 常務取締役
※肩書・プロフィールは取材当時のもの
おいしいものに出会い、ワクワクする場をつくる
事前にマツヤスーパーを訪れた2人が驚いたのが、その活気だ。豊富な商品の並ぶ店内は大勢のお客さまで賑わい、お客さま同士、あるいは社員との楽しげな会話も聞こえる。無人販売やネット通販にはない「人と人とのつながり、距離感の近さ」。スーパーマーケットは「誰もが行ける、情報・コミュニケーションの場」と気づいた2人。「マツヤスーパーは、超(スーパー)可能性のあるメディア!」と捉え、1~5の提案を行なった。
伊藤さんは品揃えの多様さに感動。低糖質パスタや健康志向ドリンクなど、初めて見る商品群の魅力に気づいた。「スーパーマーケットという日常のなかにある知らなかった食料品との出会い。これは強烈なエンタメだと思うので、もっと押し出してもいいのでは」と伊藤さんは提案。
これにバイヤー経験の長い髙谷さんは共感、「スーパーマーケットとは、お客さまがおいしいものに出合い、ワクワクしていただく場です。『マツヤスーパーに行けばおもしろいものが見つかる』という期待に応えられるよう、日々の生活でもそういう情報にアンテナを張っています」。バイヤーの目線で商品をとらえる髙谷さんの説明を聞いて、伊藤さんは「商品への愛が伝わってきます」と感心する。
ひとり暮らしの山口さんは、祖母が野菜や肉などの生鮮食品を地元のスーパーマーケットで購入して送ってくれるという。「買い物して箱に詰め、郵便局に出向いての発送は高齢の祖母には負担」と感じて、「スーパーマーケットから直接贈り物ができるシステム」を提案。
横山さんは「おもしろい着眼点です。離れた家族に日常の食品を送るニーズはあると思います」と深くうなずいた。
横山さんは2人のプレゼンを高く評価し、「スーパーマーケットはメディアであるとの発想は新鮮です。すでに取り組んでいることも、メディアというとらえ方をすると違う角度で見えてきます」とコメントした。
「普段の食を支える」ために努力するのがマツヤスーパー
マツヤスーパーと競合するスーパーマーケットは多い。ただし各店で個性があるように、マツヤスーパーも独自路線で勝負する。たとえば、愚直に鮮度にこだわり、いつ行っても品物が豊富にあり、手に取りやすく、スタッフが親切、通路が整頓され、買い物がしやすいということだ。一見、何気ないことのようだが、遂行する不断の努力があるからこそ、お客さまが安心してストレスなく買い物ができる。だからこそ「マツヤスーパーにまた来たい」と思うリピーターが生まれるのだ。
マツヤスーパーの使命は「普段の食生活を満たし、購買頻度の高い日常生活の必需品を販売すること」。ここには震災や災害など社会不安が起きたときも、安心を届ける機能も担保されている。
一方で、横山さんが「やらないこと」も教えてくれた。
「マツヤスーパーは、キャラクターは作っていません。先ほどの使命から外れるようなことはしないんです」。その説明に納得する学生たち。
今回、学生は提案を通して多くを学んだ。「毎日、地道に努力し、お客さまの立場に立って発信をする。これがトップを走り続ける秘訣であり、多くの人に支持される理由なんですね。今回、マツヤスーパーという企業の特性がわかった気がします」。
メッセージ
スーパーマーケットは商品を介して人と人が関わる場。どれもユニ―クな視点でした。自分が見つけた商品の魅力がお客さまにダイレクトに伝わり、支持される感動は、まさに何物にも代えがたい体験です。そんな喜びのある働き方をぜひ見つけてください。
いずれも発想豊かなご提案でした。社員のPOPも試したいですし、「スーパーマーケットからの贈り物」は冷蔵・冷凍の流通間題を解決すれば顧客を広げる将来型モデルになる。今日のようなプレゼン力は社会に出ても役立つと思います。ぜひ磨いていってください。