商社・流通・小売系 アイデアが光る仕事人に会うのが楽しい 株式会社マツヤスーパー
新型コロナ禍で注目のスーパーマーケット業界 ~マツヤスーパーの場合~ 「お客さまの生活を守る」社会貢献を支えるのは「働く人のチームワーク」
インタビュイー
西尾幸紘 雑貨担当バイヤー
安井健太郎 海産担当バイヤー
須甲直哉 食品担当バイヤー
林郁生 惣菜担当バイヤー
※肩書・プロフィールは取材当時のもの
新型コロナの影響で業績好調とされるスーパーマーケット。実際はどうなのだろうか。
「全店売上の昨対比(2021年1月時点)は107%とそれほどではありません。外食店のデリバリーなど新たな競合が生まれたことも原因です」と話すのは、惣菜バイヤーの林郁生さん。
惣菜はこの10年ほど前年比2割増の好マーケットだったが、昨年は購買者数が減少した。国の緊急事態宣言により「巣ごもり」で家庭の調理が増えたことも要因だ。
ただ、さすがはスーパーマーケット。他の商材は大きく伸びた。お菓子づくり用の小麦粉やフルーツ缶詰、昼食用のパスタや粉モノ、米飯・麺類・冷凍食品が売れた。
経済用語で、1世帯ごとの家計の消費支出に占める食料費の割合をエンゲル係数と呼ぶ。日本の平均は 25.5%(2017年度総務省統計局調べ)で、家で料理する素材食料系の「内食」、「外食」、「中食(調理食品・惣菜)」の合計だ。「内食」と「外食」「中食(調理食品・惣菜)」の割合は変化しても、エンゲル係数全体は変わらない。
「食はライフラインです。エンゲル係数と呼ばれる家計の食費の割合は2割強で安定しているため(上図)、時代の変化にかかわらず安定性が高いのです。コロナで外食がダウンしたぶん、内食に消費が流れている印象はあります」。(林さん)
マツヤスーパーに行けば欲しいものがある。
他業種では仕事が減る話も聞くが、マツヤスーパーでは多忙を極めた。
「商品確保だけではなく、お客さまも働く人の安全も、絶対に守らなくてはならない。一致団結して知恵を絞りました」と話すのは、海産バイヤーの安井健太郎さんだ。
昨夏まで醍醐店店長として最前線を指揮した。密を避けるため、いち早く商品の配置を変えて通路スペースを確保。レジの飛沫よけアクリルシートや店頭用消毒スプレーを設置し、お客さまや従業員の安心安全に気を配った。
「おかげさまでパニックもなく、毎日開店することができました」。(安井さん)
仕入れもかつてない大変さだった。
「マスク、ティッシュなどの入荷が遅延、マツヤスーパーで10tトラックを手配して、何度も品物を取りに行きました」と話す食品バイヤーの須甲直哉さん。
「こんなときだからこそ、お客さまの普段の生活を守る!」と、皆で連日取引先に連絡を取り、安定した仕入れを続けた。来客数こそ減ったものの、逆に客単価は上がった。「マツヤスーパーに行けば欲しいものがある」、そんな顧客ニーズに応えた結果だ。
つらかったのは顧客とのコミュニケーションの減少だ。「お客さまが気軽に話しかけてくれて、おしゃべりに花が咲くのがマツヤスーパーの日常。寂しかったです」と、声を落とす雑貨バイヤーの西尾幸紘さん。昨年は伊勢田店の副店長として顧客と接してきた。
「ただ、休業せずには済んだのでお客さまがスーパーにいらっしゃる楽しみを日々感じられました」。(西尾さん)
思いやりの連携プレー
厳しい戦いの中で、皆が感じたのが「チームワークのよさ」だ。新型コロナだけでなく、台風などの非常時も皆で助けあい、乗り越えてきた。出勤が困難な人の代わりに、タクシーで駆け付けてくれる人、子どもの預け先を探してまで出勤してくれる主婦のパートさん。日頃のコミュニケーションから生まれる、思いやりの連携プレーだ。
非常時こそ普段の関係が鮮明になる。マツヤスーパーがどれだけ働きやすく、協力し合う関係にある企業であるのかがうかがえる。仕事とは、相手のニーズに応え、価値を提供して喜んでもらうもの。そして「自分が誰かの役に立つ」と実感できることも重要だ。仕事を通じて人と社会に貢献する。マツヤスーパーでは、熱い社員を募集中だ。