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株式会社アドナース

株式会社アドナース

看護+介護を強みに、「人がやっていないこと」をやりたい

訪問看護・介護を中心に、ユニークな挑戦を続けるアドナース。看護師として、経営者として、地域の人々を支える鎌田智広社長に聞いた。

インタビュイー

鎌田智広

鎌田智広 株式会社アドナース代表取締役社長

看護師/訪問看護認定看護師。甲子園大学と京都桂病院附属看護専門学校(現・京都桂看護専門学校)卒業後、病院や訪問看護ステーション勤務を経て2010 年、アドナース設立。訪問看護から訪問介護、居宅介護支援、児童支援まで幅広い事業を展開。2018年にはアドナース京都音楽療法センターを開設。

※肩書・プロフィールは取材当時のもの


京都と鹿児島で訪問看護や訪問介護などの事業所を展開する株式会社アドナース。障がい者や高齢者など看護や介護が必要な人の日常生活を支える地域密着型のベンチャー企業だ。

2016年からは重度障がいをもつ子どもたちの放課後デイサービスを開始し、現在は保育園や音楽療法事業なども展開。
介護士や看護師だけでなく、保育士や音楽療法士など多彩な人材が活躍している。

車いすユーザーが茶道を通じて交流を深める「車いすおもてなし隊」の企画や、バリアフリーマガジン『Co-Co Life☆女子部』の発行、コミュニティラジオ「行列のできる訪問看護ステーション」出演など、誰もが暮らしやすい社会づくりや情報発信にも力を入れる。

「車いすおもてなし隊」とともに

「もっと良くしたい」が原動力

「訪問看護はおもしろい」。こう話すのは、かつて病院で看護師をしていたアドナースの鎌田智広社長だ。看護学校卒業後、病院の血液内科に配属され、抗がん剤治療や白血病に苦しむ患者と向き合ってきたが、6年を経て退職。専業主夫時代に出会ったママ友の誘いを受けて、訪問看護の世界に足を踏み入れた。

訪問先では「病院に行くなら死んだほうがマシ」と話すおじいさんに出会うなど、病院で働いていた頃には思いもよらなかった声を聞いた。地域の人々の多様な価値観に気付き、訪問看護に魅力を感じた。そうして、訪問看護にのめり込むほどに「もっとこうしたい」との思いが生まれる。

24時間365日、緊急時にも対応する訪問看護の仕事は心身への負荷が大きい。 「日々奮闘する訪問看護の担い手たちが待遇面でもっと高く評価されるべき」。そう感じて開業したのが、アドナースだ。

アドナースの「アド」は、広告の意味の”アド”。ナース(看護師)の仕事や訪問看護のおもしろさ・魅力をもっと多くの人に伝えたいとの思いから名付けられた。 「良質な訪問看護を提供して利用者やその家族から信頼されることはもちろん、訪問看護全体の発展を目指している」と鎌田社長。

独立後、治療のサポートを行う看護だけでなく、日々の生活を支える介護の必要性を実感し、介護事業も始めた。 すると今度は重い障がいで居場所を見つけられない子どもたちの存在に気づき、2016年に放課後等デイサービス「ごっこ」を開設した。

「やりたいことが実現できる会社」

開業から11年。目の前のニーズに応えようと走り続けてきた鎌田社長。その情熱的であたたかい眼差しは、利用者だけでなく、社員にも向けられている。過去には「地元で訪問事業をやりたい」というスタッフをサポートすべく、鹿児島へ足を運び一緒に地域をまわって支社を設立したこともある。

鹿児島にてスタッフとともに

「やりたいことが実現できる会社」「”その人らしさ “ を大切にしてくれる会社」「優しさにあふれた会社」。
これはアドナースで働くスタッフたちの声だ。20代、30代の若いメンバーも日々やりがいを感じながら働いている。

背景には、鎌田社長の社員への思いがある。外部講師と連携して研修や資格取得へのサポートを充実させ、一人一人の成長や希望に合わせた柔軟な職場環境づくりに努めている。

業界の枠を超えた人材ニーズ

2021年春から同志社大学大学院ビジネス研究科に通い始めた鎌田社長。
「看護や介護の経験はあっても経営者としてはまだまだ。ビジネススクールは多分野で活躍する志高い人たちと出会えて刺激を受けます」。

福祉業界は今、次々と新しい企業が参入しているが、質の高いサービスを届けられるのは、”やはり自分たちのような看護や介護のプロ人材 “という自負がある。逆に訪問看護・介護事業の経験を他業界で生かす道も探っている。

2018年、児童施設に音楽療法を取り入れた。現在、ニューヨークに本部があるノードフ・ロビンズ音楽療法センターに認証申請中だ。決まれば、日本初となる。音楽療法がより多くの人に普及する一歩になり、業界全体のイメージアップにもつながるだろう。

訪問看護・介護に必要なのは、一人一人に向き合い、あたたかく柔軟に対応できる現場力だ。同時に「これからは人に向き合う優しさに加えて、マネジメントやデジタルに強い人材も必要。福祉分野に限らず多方面からユニークな人材を迎えたい」と話す鎌田社長。将来性と多様性にあふれた職場環境で、チャレンジし続けたい若者を待っている。

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