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株式会社マツヤスーパー

株式会社マツヤスーパー

地元の食情報を発信したい学生が優良スーパーマーケットのマツヤスーパーに聞いてみた!

「食」の情報発信で起業したい学生が、マツヤスーパーを訪ねた。「考え方のすべてが変わりました!!」と感激する学生。その内容とは――。

インタビュアー

小川 真白

小川 真白 立命館大学 食マネジメント学部1年生

徳島県出身。父がJA職員で、子どもの頃から地元の食材に興味をもち、マルシェの手伝いや商品開発、魅力発信動画制作に携わってきた。去年は大学内のキッチンカーで料理提供・運営を、今年は食品事業スタートの予定。将来は地方食材の魅力を伝える仕事に就きたいと考えている。マツヤスーパーの評判を聞いて取材したいと志望し、この訪問が実現した。

インタビュイー

高谷歩

高谷歩 マツヤスーパー 人事総務部課長

「お菓子とお酒が好き」で入社しバイヤー歴16年。マツヤスーパーは京都・滋賀で8店舗を運営する地元密着型量販店。1店舗平均の売上高が26.4億円と、業界全国トップクラスを誇る。地方転勤がなく社員の年間休日取得率 100%、年間休日113日と働きやすさに定評があり、社員平均年齢は36.0歳。23年度の新入社員は半数が女性の予定。

※肩書・プロフィールは取材当時のもの


使命は「お客様の普段の食を支える」

小川さんの地元徳島産の野菜がマルシェコーナーに。
見て感動、あっという間に売れることにも感動!

小川: 先日、キッチンカーで商品の販売をしたんですが、厳しさが身にしみました。マツヤスーパーさんが成功しておられる秘訣は何ですか?

高谷: 私たちマツヤスーパーの使命はお客様の「普段の食を支える」こと。それを軸に、常にお客様のことを考えています。お客様の欲しいものが、当たり前にストレスなく買える。それが大事です。

小川: 具体的に、どんなふうにお客様のことを考えているんですか?

高谷: 商圏ならお客様が足を運びやすい1キロ以内、豊富で鮮度感のある品物がお値打ち価格で並び、どの時間に行っても欠品がない。そんな「安心感・信頼」を提供しています。

小川: そういえば他店で見かける「目玉商品特売」や「タイムセール」がありませんね。

高谷: 安売りにつられて出かけ、もし商品が売り切れていたらガッカリしますよね?マツヤスーパーでは代わりに「曜日奉仕」を設けています。ある曜日はパンを、別の日は冷凍食品などジャンル別に、全メーカー品を安くします。その曜日に来れば、いつもの商品を割安で買えるのです。

小川: そうか。私は「売りたいものを売る」考えでした!本来は相手が「買いたいものを売る」なんですね。

買い物はエンタメ。流行にアンテナを張る

「おすすめの食べ方」や「保存のヒント」など、各売り場にはちょっとした情報が。
スーパーは情報発信の場でもあるのだ。

高谷: 答えは常にお客様の中にあります。「この商品ないかしら?」と聞かれたら、それは欲しいサイン。すぐに揃え、また食のトレンドにもアンテナを張っています。
逆に自分が「これはいい」と惚れ込む商品も。私はお茶の産地で自分で茶摘みをしたときに、その商品のよさを実感、お客様に伝えていきました。スーパーはお客様と商品をつなぎ、コミュニケーションで成り立つ仕事。そこがおもしろいのです。

小川: それこそ私がやりたい仕事です!店内はポップや商品コメントなど情報発信も多いですね。

高谷: 買い物はお客様にとってはエンンターテイメント。ワクワクできる情報の伝え方や売り場という舞台作りを大事にしています。仮にその日の売上に結びつかなくても、翌日やり方を変えれば売れることが多く、仕掛ける側も、「今日はこんなことをしよう!」と毎日ワクワクしているんですよ。

小川: 毎日何千人ものお客様からジャッジされるのはこわいような気もしますが、強みなんですね。

バックヤード、売り方、設備……「毎日の小さな積み重ね」が大事

野菜は丸ごとのほか、少人数でも食べやすい小分けに。価格も買いやすく、切り口も新鮮!

小川: 他に大切にされていることはありますか。

高谷: バックヤードを見てください。保冷室で葉野菜の箱を縦積みにしています。葉を上に、根を下にすると鮮度が落ちにくいからです。野菜を横に寝かせると、起き上がろうとエネルギーを消耗し、味も鮮度も下がるのです。

小川: 野菜がイキイキしています!

高谷: 保冷室から出したレタスや白菜は少人数向けに半分や4分の1に小分けしています。ただし売れ方を見ながら直前に切るため、鮮度も栄養価も損なわれません。食べたら味の差は歴然。お客様からは見えないのですが、日々手間と工夫を重ねているのです。

小川: バックヤードで野菜がこんなにていねいに扱われているとは!野菜好きとして感動します。

高谷: マツヤスーパーが目指すのは大きな儲けではなく、お客様に継続的に来ていただくことです。そのための施策のひとつが設備投資です。この冷凍庫はお客様が商品を見て取り出しやすく、冷気も落ちにくい最新型です。
また、売上が伸びたら、利益は社員にも還元します。給与が上がれば「工夫してお客様に喜んでいただこう」とモチベーションも上がります。遠回りのようですが、お客さまと社員を大切にすることが、結果的には「選ばれる店」につながるのです。

小川: そうなんですね!売れるにはやはり理由がある。そしてマツヤス―パーさんのお仕事が「食の魅力の最前線を伝える」こととわかり、そこにも強く共感しました。

ミニコラム

私も将来、楽しく働きたい!

新鮮な野菜、直送の鮮魚、朝、挽いたばかりのひき肉。見て回るだけでワクワクします。売り場にあるPOPだけでなく、売り場の皆さんも皆、「何でも聞いてください」と楽しそう。私自身、地方の野菜の情報発信に興味があり、「食の情報って、こんな伝え方があるんだ」と驚きました。私も将来、楽しく働きたいです。

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