サービス・インフラ系 人に会うのが楽しい手に職がつく仕事 株式会社トライアングル
今の幸せを再認識できる。そんな写真を撮影するスタジオです
インタビュイー
竹中岩仁 代表取締役社長
※肩書・プロフィールは取材当時のもの
月曜から金曜、愚痴だらけの社会人になりたくない
七五三や成人式、結婚式など人生の節目でプロカメラマンが撮影する場が、街の写真館だ。ときには、遠足や修学旅行に同伴しての撮影もある。
竹中さんの実家は奈良県吉野郡にある街の写真館で、78歳の父親は現役カメラマンだ。家業に興味がなかった竹中さんが写真の道に進んだのはワケがある。
就職活動を意識し始めた大学3年生の時、居酒屋で隣にいたサラリーマンたちが会社や社会の愚痴をひたすらこぼしていたのを見かけたのだ。
「おもしろくない仕事をしたら、月曜から金曜まで不満だらけになる。しかし写真館の父親は毎日、朝から晩まで楽しそうに働いている。この違いはなんだろう」。
幼いときから、父親からは「何をしても構わないが自分で責任をもつように」と育てられた。
「自分の頭で考えて動ける仕事が向いている」と考えた竹中さんは、父がのめりこむ写真を自分も学ぼうと、23歳で渡米。
大学で写真を学び、卒業後はハワイで、日本人向けの結婚式撮影の仕事に就いた。
「写真を飾る文化」を日本に根付かせたい
帰国後のことだ。実家の写真館に、昔からのお客さんが娘さんの七五三の写真を持って訪れた。20年以上経った写真も台紙もカビだらけ。竹中さんはカビの原因を聞いて驚いた。
写真を段ボールに入れて、押し入れに保管していたのだ。日本には、家族写真を飾る習慣があまりなく、多くの家庭が同じような状況だとわかった。
一方、竹中さんがアメリカでホームステイしていた家には、リビング、階段、各所に家族写真が飾ってあった。
家族が離れて住んでいたり、誰かが亡くなったりしても、自分が愛されてきた証になるのが写真だと竹中さんは気づいた。人が、どんな状況にあっても自信を持てる根底には、家族からの愛情がある。
「写真がふと目に入る瞬間に、今が幸せだと再認識できる。そんな写真を撮りたい」。
竹中さんは実家の写真館とは別に、写真館を創業した。キャッチコピーは「リビングに幸せを飾ろう」に決めた。
家族の幸せを伝えるための写真
ただおしゃれな家族写真を撮影できるスタジオはたくさんある。しかし、スタジオオレンジの理念はひときわ輝いている。
苦も楽もともにする家族にはドラマがあり、写真を受け取った後も人生は続く。スタジオオレンジの願いは、写真をリビングに飾ってもらい、日々の生活の中で幸せの尊さをかみしめてもらうことなのだ。
スタジオオレンジでは、写真撮影をするカメラマンのほか、画像処理や商品作成、衣装メンテナンス、接客など約50名のスタッフが働いている。
役割は違っても、撮影を通じて伝えたいことは「いつでも再確認できる、家族の幸せ」と共通している。サン・テグジュペリの小説『星の王子さま』に、「いちばんたいせつなことは、目に見えないんだよ」という竹中さんが好きな一節がある。
スタジオオレンジにとって写真は、目に見えない愛を可視化する手段なのだ。
スタジオオレンジの仕事は、物事の本質を知り、伝えたいという人に向いている。
竹中さん自身も大学を出てからカメラマンの技術を学んだように、経験不問。ここでは、竹中さん自身がアメリカの大学で学んだ方法論を応用したカリキュラムを学べるため、技術もセンスも確実に身に付く。
実際、カメラマンの全員が入社後にスキルを身につけており、さまざまなシーンで活躍している。
幸せを形にしたいと願う人。そして「上っ面だけの仕事はしたくない」「手に職をつけたい」「本気で楽しいと思える仕事がしたい」という人も歓迎だ。