サービス・インフラ系 業界でオンリーワン人に会うのが楽しい手に職がつく仕事 株式会社dbqp.co
仕事は人生を豊かにするための手段
インタビュイー
川村 弘樹 株式会社dbqp.co 代表取締役COO
2012年、代表取締役CEOの山下雄也さんと共に株式会社dbqp.co(ディービーキューピー カンパニー)を創業。ターゲットを30代以上の男性に絞った大人のための理容室「DEAR BARBER」、ジェンダーレスな美を打ち出す「京都 とこや山川」など、新業態で理容師業界の変革に挑む。
小澤 雅 株式会社dbqp.co 理容師
子供のときから髪を触るのが好きで、もともと美容師として働いていた小澤さん。さらなる技術向上のために、理容師資格を取得し、株式会社dbqp.coに所属することを決めた。「お客様と長くおつきあいできるのはこの仕事のおもしろさです。年齢を重ねると、頭髪は少なくなりがち。お客様がどんな状態でも質の高いサービスを提供したい」と腕を磨く。
山根 明奈 株式会社dbqp.co 理容師
実家は理容室。高校卒業後、父と同じく理容師の道へ進むことに。見聞を広めるために複数の理容室で経験を積む。かつて就職した理容室では費用対効果を重視する経営方針が自分に合わず、株式会社dbqp.coに転職する。「ことでならやりたい散髪ができます。今は、お客様と向き合って、サービスを提供できるのがうれしいです」。離島出身で魚にくわしいため、アウトドア好きのお客さんとの会話が楽しい。
※肩書・プロフィールは取材当時のもの
理容業界のイメージを変えたい!
理容室と聞いて思い浮かべるものは何だろう。レトロな店構えに回るサインポール、黙々とヒゲを剃る理容師?「美容室はともかく、理容室はよく知らない」という人もいるかもしれない。
そんな古いイメージを革新しようと奮闘する企業がある。株式会社dbqp.coだ。代表ブランド「DEAR BARBER」は客層を30代以上の男性に絞ったお店。パーマやカラーが得意な美容室に対し、理容室の強みは高いカット技術と、理容師にのみ許されたシェービングだ。同店はクラシックな雰囲気で体験価値を高め、ヘッドスパや男性用化粧品の開発、オーダージャケットなど幅広いサービスで男性の美をプロデュースする。この新業態がヒットし、大阪府で4店舗を構えるまでになった。
代表取締役COOの川村弘樹さんも理容師だ。「きっかけは父と同じ職業だから選んだだけ」と振り返る。川村さんは理容師として働き、褒められるうれしさ、技術がカットに反映されるおもしろさ、人脈の広がりなど、仕事の魅力を知った。一方で働き方など、業界全体の課題も痛感したという。やがて「理容業界を変えるには、組織が必要」と考えるように。そうして志をともにする山下雄也さんと起業した。
理容師をカッコよく稼げる仕事に
「仕事は人生を豊かにするための手段。会社を作るなら環境を大事にしなければ」と川村さん。顧客満足度だけでなく、給与や休日など働く側の待遇改善にも熱心だ。蒸しタオルの準備など時間のかかる作業手順は、慣習を見直し効率化した。同社の理念に共感し、技術力の高いスタッフが集まった。
理容師として働く山根明奈さんと小澤雅さんに話を聞いた。2人とも制服のスーツ姿がりりしい。「DEAR BARBER」と「京都 とこや山川」で働く山根さんは「昔働いていた店では回転率が重要でした。ここは完全予約制だからカットに集中できる。季節ごとのプランを提案するなど、自分のやりたい散髪ができます」と話す。自身のサロンを営みつつ「京都 とこや山川」で働く小澤さんは「作業の効率化や勉強会に前向き。企業として成長するための体制が整っています」と話してくれた。
最後に「理容師に向いている人は?」と尋ねてみた。「お客さんが喜んでくれているか気になる人」(山根さん)、「髪に触るのが好きな人。不器用でも技術は身につきます」(小澤さん)、「人見知りでもOK。数ヶ月おきにお客様と1時間向きあう仕事って、おもしろいですよ」(川村さん)。理容師の仕事の魅力を知りつくしたのが同社だ。理容師は「手に職」系の代表格。変革の時代に、あなたの職業の選択肢に加えてみてはいかがだろうか。