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株式会社Fujitaka

株式会社Fujitaka

「どんな時代にも対応できる会社」になる! パッションとイノベーションの融合

先行き不透明なこの時代、「選択と集中」で事業を絞った会社は、明暗が分かれている。一方で、「選択と集中」をせず複数の事業展開をするFujitakaは、業績が好調だ。いったいなぜか?その戦略を高井社長に聞いた。

インタビュイー

高井茂行

高井茂行 代表取締役社長

1973年、京都生まれ。祖父の代に木工製品の製造会社として創業。現在、株式会社Fujitaka 代表取締役 。12年前、父の代の事業を大改革して会社を再生、新しい時代を見据えて事業を展開している。

※肩書・プロフィールは取材当時のもの


京都駅前に本社を置く株式会社Fujitaka(フジタカコーポレーション)は、飲食店等の券売機、コインランドリーやコインパーキングどの無人店舗、アミューズメント施設の入退場ゲート、アーケードの設計・施工、喫煙ブース、車いす用の階段昇降機など幅広い事業を手がける優良企業だ。BtoB 企業なので、名こそ知らなくても、その施設を利用したことがある人は多い。一見、多角経営に見 えるその事業の共通点はどこにあるのか? 社員約250名を率いる代表取締役の髙井茂行さんに聞いてみた。

「商業施設の近代化・機械化・無人化 が、うちの会社の事業の根幹です」と即答する髙井さん。なるほど、券売機も入退場ゲートも無人店舗も、駅の階段などにある車いす用の階段昇降機も、人の替わりに機械が仕事を行う。飲食店の券売機は、実は Fujitaka が真っ先に取り組んでいた事業だ。近年、街のあらゆるシーンで無人化や機械化が進んできた背景に、Fujitaka が関わってきたのだ。

しかし、実は無人化には、人の介在 が重要だ。Fujitaka の得意分野にコインランドリーやコインパーキ ングなどの無人店舗があるが「そこには当然店舗設計のノウハウが必要なんです。機械を置いても、それをメンテナンスしていくことが必要で、そこには人が関与します。機械を売るだけではなくて、お店を作るというビジネス をやらせてもらっています」と語る髙井さん。これを「トータル・ソリューション」と呼んでいて、一社でできるのが Fujitaka の強みだという。

さらに社会貢献にも意識が高いのが Fujitaka だ。たとえば、駅にある車いす用の階段昇降機や病院などで採用されている適温配膳車のシステ ム開発に力を入れる。 「モノを売るだけでなく、使う人の立 場に立った『コト』を売りたい」という髙井さん。パッション(情熱)とイノ ベーション(技術革新)の融合を大切にしている。それが自然と、社会的意義 のあるものを販売することにつながる。

実は髙井さんには、12年前に会社を大改革した経験がある。祖父の代の大正に創業、街角のタバコ屋のショーウィンドウづくりで業績を伸ばした。2代目の父は全国初のタバコ自販機を手がけるなど、自販機を核に会社は発展した。しかし平成に入りコンビニエンスストアの台頭で、タバコの自販機ビジネスがつまづいた。

最終的には3代目の髙井さんが陣頭指揮をとり、大ナタを振るって会社を大改革して、会社は不死鳥のように復 活した。髙井さんは振り返る。 「あの時は会社の事業の根幹が『近代化・機械化・無人化』にあることを確認。ビジネスの選球の大切さを痛感しました」。

苦しい改革があったからこそ、時代の先を見据え、その変化に対応できる会 社づりが髙井さんの命題となった。 自販機からコインランドリー、喫煙ブース、最近はドローンの学校までと、多岐にわたる事業は、実はすべて根幹でつながっている。

新型コロナウイルスの流行で、先行き不透明な時代だ。しかしそこに人々の 暮らしがある限り、Fujitakaは、過去の経験を生かし、今後も商業施設の省力化を核に、時代の要請に応 じた新しいビジネスを生み出していく柔軟性をもっている。今後の連載でその詳細をみていきたい。

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