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専門家(プロフェッショナル)という生き方 by Fujitaka 京都建築大学校の川北英建築設計研究室を訪問

専門家という生き方に注目する編集部は建築家の卵が集まる京都建築大学校の川北ゼミを訪ね、4年生たちに選択の理由や将来を聞いた。

インタビュイー

川北 英

川北 英 京都建築大学校 校長

川北ゼミの学生たち 京都建築大学校 川北英建築設計研究室

※肩書・プロフィールは取材当時のもの


――志望理由と将来の夢は何ですか?

富上 凛さん(以下、富上): 小1で家族と訪れたパリで建物に魅了されたのがきっかけです。将来はホテルやグランピング施設を手がけたい。

濱元 翼さん(以下、濱元): 子どもの頃、よくテレビの工作番組を見ながら段ボール制作をしていました。皆の夢が詰まった家を作りたいです。

竹藤 修梧さん(以下、竹藤): わが家の完成時の写真には「家を建てた」喜びで満面の祖父と父母の姿が。そんな「笑顔を作る」建築家を目指しています。

四方翔大さん(以下、四方): 高校の授業で段ボールをつくる仮設住宅を開発した坂 茂(ばん しげる)氏を知り、興味をもちました。建築で広く人を支えたいです。

小西 潤さん(以下、小西): 将来を模索していましたが、ゼロからものを作れる建築家は正解でした。スケールの大きな商業施設に関わりたいですね。

安井 映真さん(以下、安井): 両親の趣味がインテリア。内装ひとつで雰囲気ががらりと変わるのがおもしろく、将来は住宅設計の仕事に就きたいです。

出村 菜津美さん(以下、出村): 家の間取りのチラシを見るのが好きでした。祖父が機械設計士で図面にも親しみがあり、住宅設計士を目指しています。

川津 雄暉さん(以下、川津): 中学の授業の本棚制作で楽しさを実感。祖父は大工です。将来は建築現場をまとめる現場監督になりたいです。

成岡 海さん(以下、成岡): 親戚が大工で、自宅や親戚の家が建つ工程に興味を持ちました。マイホームやリフォーム設計に関わりたいです。

加藤 侑茉さん(以下、加藤): ものづくりを専門的に学びたいと入学。将来は駅など多くの人と関われる公共建築を手がけたいです。

――ゼミでは何を学んでいますか?

竹藤: ゼミの柱は ①コンペへのチャレンジ ②スケッチの練習、展覧会開催 ③街歩きをして、ミニ情報誌を作る ④郊外の建築見学 ――の4つです。

富上: 授業はユーモアがあり、建築に必要なさまざまな価値観を学びます。

濱元: 建築家の社会的役割や日本の1億2400万人を支える建築のあり方など、根源的な議論を重ねることも。

小西: 最初の30分はスケッチ時間。先生に教わると線の描き方も変わります。

四方: 手を動かしてスケッチするのは自分の考えをまとめて表現力をつけるため。その考えに目からウロコでした。

成岡: どんな設計にしようかと悩んでいると、川北先生はたくさんの事例をご存じなので視野が広がります。

安井: 先生に「こんな感じの建物を作りたい」と話すと的確なアドバイスがいただける。ふわりとした思いを視覚・言語化する力に圧倒されます。

川津: 人脈も豊富。コンペ審査員の好みまで熟知し、方向性を示して下さる。相手の好みや考えを形にするのが建築士の仕事。その真髄を教わっています。

出村: 先生のおもしろさを追求する姿勢が好きです。仕事は100%楽しいとは限らないが、自分の感性でおもしろくできるとの言葉が印象的です。

加藤: ミシシッピ川をカヌーで下るなど、趣味のスケールも大きいですね。

濱元: ゼミは週1回ですが、皆、毎日教室に集まり、手を動かしています。

竹藤: 「作りたい」思いがハンパない。

川津: 先生の課題もハンパない(笑)。

小西: 日本の建築を担う!川北ゼミ生はそんな熱い思いを学び、課題と真摯に向き合っています。

ミニコラム

スケッチで磨く自己表現力

川北ゼミの最大の特徴はスケッチだ。教室にはスケッチ画がずらり。「絵が目的ではなく、心の中の映像や思考過程を表現する練習です」と川北先生は話す。

建築家にとってスケッチは情報を伝え、相手の意向を確認する大事なツール。手を動かすとひらめきも増えるという。ある学生の絵はまるで脳内展開図。アイデアが広がる様子がリアルに伝わってくる。

こうした自己表現スキルは社会でも大きな武器に。実際、環境や都市復興、建造物保存など幅広い分野で活躍する建築士も多い。社会に役立つ専門家を育てる。それが川北ゼミだ。

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