インタビュイー
吉岡 翔 FMS開発部
近畿大学理工学部電気電子工学科卒業。子どもの頃からミニ四駆などものづくり好き。自分で図面をひいて電気回路を設計する仕事がしたいと思い、TOWAに就職。FMS開発部でシンギュレーション装置の配電・回路の設計を行う。
堀 聡子 FMS開発部
兵庫県立大学大学院卒業。機械システム工学を専攻。大学研究室では材料系の基礎研究をしたが、実際の設計や生産技術に携わる仕事を求めてTOWAへ。FMS開発部では、チームでシンギュレーション装置のメカ設計に従事する。
※肩書・プロフィールは取材当時のもの
京都市に本社と工場を置くTOWA株式会社は、1979年に超精密金型の設計・製造で創業、その後、半導体製造装置の設計・製造で急成長し、今や世界トップシェアの技術を誇る優良企業だ。BtoB企業なので一般には名が知られていないかもしれないが、東証一部にも上場している。
半導体製造工程でトップ技術
半導体は、何十もの製造工程を経て完成する。TOWAはその中で組み立ての2工程を扱う。とくに、微細で精密な半導体チップを振動・埃・水・光などから守るために特殊な樹脂で覆う「モールディング」工程では、その自動装置を世界で初めて製品化し、現在も世界シェアナンバーワンを誇る。「シンギュレーション」工程では、複数のチップを樹脂で固めた成形品を個片化する。ここでもオンリーワンの自社技術をもっている。
社員の約3分の1が設計者というTOWAだが、日々どのように仕事をしているのだろう。今回は、設計に携わる若手中堅社員に話を聞いてみた。
「当社は半導体を樹脂で固めるモールディング装置では世界トップですが、それを切り分けて個片化するシンギュレーション装置では世界一に追いつけ・追い越せという立場。技術革新を目指す新規装置の開発をしつつ、顧客企業の要望に応じながら工夫の日々です」と語るのは入社8年目で、FMS開発部(※)に所属する堀聡子さん。シンギュレーション装置の機構部(メカ)の設計を約10人のチームで取り組み、打合せを重ねながら3D - CADで形にする。
3D-CADでイメージが形になる
三次元(3D)で立体の設計をする3D-CADを使って、モニター内の仮想空間に、縦・横・奥行のある立体を設計していく。デスク上の画面に向かうデスクワークであり、緻密さとともに創造性が求められる作業だ。
堀さんがシンギュレーション装置のメカ部の設計をするのに対し、3年先輩の吉岡翔さんは、配電盤や電気回路などの電気ハードを設計する。子どもの頃からプラモデルやミニ四駆を作ることが好きで、電気回路の設計がしたくてTOWAに入社した。想像していたよりはるかにスケールの大きい仕事に手応えを感じつつ、毎日画面に向かい黙々と作業する。
TOWAの顧客は、半導体を製造する企業なので、製品はその顧客の作る製品や製造ラインに応じて一部がオーダーメイドとなる。営業がまとめた話を開発部で受け取り、ときには工場で部分的に試作を重ねつつ、期日までに製品を納める。スケジュールに応じてチームで協力したり、一人で集中して進めたりと対応は様々。残業も納期厳守を前提に個人裁量に任される部分は大きく、時短勤務や有給取得も含めそれぞれがワークライフバランスを取りながら計画的に業務を進めている。
今後も半導体需要は拡大が予想され、それを支える半導体業界は将来性もある。理系でクリエイティブな仕事を探す人はぜひ検討してみてほしい。
( ※ ) FMS(Flexible Module Singulation)開発部:シンギュレーション装置を開発する部署。
部活動も充実、友達ができる!
バトミントン部、ヨガ部をはじめ、フットサル、ボルダリング、ソフトボール、自転車、卓球、写真、書道、料理他、社内には18もの部活動がある。