インタビュイー
今村 永和 品質管理のガーディアン
入社40年の大ベテラン。会社の仕事をオールラウンドにこなし、現在は営業を担当。「信頼ある製品が、会社の価値を決める。だからこそ、品質管理は生命線なんです」。
※肩書・プロフィールは取材当時のもの
大東技研が手がけるのは、半導体を作る装置の心臓にあたる部品製作。「機械を動かす機械の核心」を担うだけに、このパーツに万が一狂いがあれば、命取りになる。なぜそこまで信頼されるのか。
その秘密は、同社が力を入れる最後の関門「品質管理」というチェックシステムがあるからだ。そもそもBtoBの部品製作メーカーは、完成品の品質チェックを「外注」で済ますところが多い。高額の検査機の導入・維持、 社員の教育や人件費を考えれば、外注の方が比較的ラクで安上がりだからだ。
あえて自社で「品質管理」を行うメリットについて、同社営業部の今村永和さんはこう話す。
「自社で厳しくチェックすることで、世界最高峰のモノづくりを続けることができ、顧客の要望に200%応えられる。また加工者それぞれの加工・測定 データの蓄積により、加工方法の見直しや課題を知ることが出来るのです」。
作り手の顔が見えるから、不良品が発生しても、すぐに原因を追究できる。「ここ、注意」と的確にフィードバックでき、社員の成長やチームワーク、士気の向上につながる。
「若い人の成長は目ざましい。それを実感できるのもうれしいですね」。
「品質管理チーム」が担うのは、使い手の立場でモノを見、公平に精査するポジション。責任感があり、また「間違い探し」が得意というゲーム感覚のある人にも向いている。
このチームに新しい顔ぶれが揃った。 昨年11月入社の淺田誠さんは、滋賀県立大学大学院で言語学を専攻。言語という形のない世界に不安を感じ、形ある「モノ」に魅かれたのが入社動機だ。
「視点を変えたのが正解でした。仕事は一から教えてくれるので不安はなく、細かい作業が好きな自分に合っている。やる気次第で何でも挑戦できる社風なので、どんどん世界を広げたいですね」。
谷口美穂さんは今春、成安造形大学を卒業。選んだ理由は「地味作業がメチャ好き」。大学では映像を製作し、 デザイン系やSEの仕事にも惹かれたが、「自分はコツコツ作業を重ねる職人タイプ」と判断。モノづくりを支えるおもしろさにはまっている。
放電加工・研削・切削技術による美しく精巧な金属部品は、まるで「アート」。
「品質管理」という砦があるからこそ、よりスピーディに、自由に、高度な製品づくりを実現する同社。創業45年の「信頼」ブランドに結集する、熱き社員・エンジニアを募集中だ。
★品質管理とは、製品が実際の図面に適合しているかを精査し、品質保証をする部署
品質管理は複数の行程がある。まずは仕上がった製品を「画像測定」し、1ミリの1000分の1(=ミクロン)単位までスキャン。次の「図面と照合」では、図面と形状・寸法が一致しているかを確認する。部品にもよるが、チ ェック項目は20~100カ所以上になることも。
製品数が多い場合は、合格した基本の部品と一致するかを「比較測定機」で精査する。
凹凸(おうとつ)や曲線など複雑な形状の場合は、製品を「接触3次元測定」し、寸法をチェック。細かい作業ながら、ぴったり合ったときの達成感はまた格別だ。