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株式会社マツヤスーパー

株式会社マツヤスーパー

舞台の演出に答えはない。正解を探し続ける仕事だと気づきました!

ある演劇好きな学生が発見!「人の集まるスーパーマーケットと舞台の共通点がある!」。お客さまを満足させ、スタッフからワクワク感が伝わってくる。それはなぜなのか。地域一番店のマツヤスーパーを訪問した。

インタビュアー

小須田 有亮

小須田 有亮 京都橘大学 文化学部 3年生

大阪府出身。演劇サークルに所属し、人と話すこと、人を楽しませることが好き。就活は始めたばかり。「いろんなものをいろんな人に知ってもらう仕事に興味があります」と、今回の訪問を志望。料理が得意。

インタビュイー

高谷 歩

高谷 歩 マツヤスーパー人事総務部部長

バイヤー歴16年。自身は「お菓子とお酒が好き」で入社。マツヤスーパーは京都・滋賀で8店舗を運営する地元密着型量販店。1店舗平均の売上高が26.4億円と業界全国トップクラスを誇る。

※肩書・プロフィールは取材当時のもの


人が集まる仕掛けとは?

パスタを見上げた先にソースがある陳列。「計算され尽くしている!」と驚く小須田さん。

小須田: スーパーマーケットによって商品の並べ方が違いますね。

高谷: そうですね。マツヤスーパーは、お客様の「普段の食生活を満たし、購買頻度の高い日常生活の必需品を販売すること」が使命です。旬や鮮度感を伝えるため、入口に野菜や果物、次に市場直送の鮮魚、切りたて・挽きたての精肉、豆腐や牛乳などの日配品、作りたての惣菜へと続きます。店内を周れば必要なものが全て揃う仕掛けです。

小須田: スムーズに買えて便利ですね。

高谷: 一方で、死角になるのが副通路の乾麺や菓子、缶詰、ドリンク等の定番商品です。ここも見てもらえるよう、通路入り口に催事商品や、新商品を、その先に定番商品を並べています。

小須田: そうか!パスタが安いと思って手に取ると、奥にはパスタソースや缶話などの調味料が並んでいる。すべてこの通路で完結するので便利!

高谷: はい。探す手間が省ければ、スイスイ買い物ができます。マツヤス―パーではお客様がストレスなく買えることを重視しているため、「見やすく・取りやすく・選びやすい」動線を考えているのです。さらに欠かせないのが「迫力」です。

小須田: それ、舞台にも欠かせません。

高谷: 迫力は表現の基本ですね。ここを見て!という思いをいかに伝えるか。ポップや配置、量、アナウンスなど、自分の創造力を働かせて計画、演出し、売場という舞台を作り上げていく。それがお客様に響いたときに商品が爆発的に売れるのです。この感動は大きいです。

小須田: 自分の努力が認められ、承認されるんですね。私なら絶対泣くなあ。

品揃えはお客様とのコミュニケーション

マツヤスーパーではフルセルフレジを導入。年配客からも厚い支持が得られた。スーパーマーケットとは経済心理学を学び、検証できる場でもある。

小須田: お客様とはどのようにコミュニケーションを取るのですか?

高谷: 毎日何千人と来店されるお客様に挨拶はしますが、全員と話すわけではありません、でもスーパーマーケットでは品揃えも大きなメッセージです。この肉のパックを見てください。

小須田: 小間切れ肉の100グラムトレー。一回で使い切れて便利ですね!

高谷: 他社では、小間切れ肉は250グラム~800グラムの品揃えが主流です。でもお客様の立場からすれば、4人以上の大家族なら食べきれても、ひとり暮らしでは余ってしまいます。必要量は人それぞれです。そこであえて100グラムの少量パックを用意して、お客様に選んでもらえるようにしました。実際にこのサイズもよく売れています。マツヤスーパーではこうした要望を、意見箱や接客を通して拾い上げています。さらに、「これはいい!」と思っていただける商品に常にアンテナを張っています。

小パックの細切れ肉。こういった工夫が、顧客満足度を高める。

小須田: お客様の声がそのまま品揃えに反映されているのですね。

高谷: 実はお客様からは見えない部分でも、そうした努力をしています。バックヤードをご案内しましょう。

小須田: 想像以上に広い。しかも清潔ですね。あれ、手を洗う蛇口が2つ?

高谷: 左の強アルカリ水で汚れを落とし、次に右の強酸性水で殺菌する仕組みです。洗剤と違い、手にやさしく隅々まで洗えて、環境負荷も低いのです。

小須田: 手がツルツルして気持ちがいい。人にも環境にもやさしいんですね。

高谷: 働きやすさや環境への取り組みは目に入りにくい部分です。でもそこがきちんとしていれば胸を張って働けます。仕事は人が生み出すもの。だから働く場も人も大切にしているのです。

どんな人が向いていますか?

小須田: 求めるのはどんな人ですか?

高谷: 素直な人です。前向きに物事を受けとめて、好奇心がある。演劇と同様、人を相手にする仕事に正解はありません。でも答えを見出そうと考え続け、努力する姿勢が大事なんですね。マツヤスーパーが手がけるのは「食」のトレンドの最先端に立ち、「人」の普段の食生活を支える大切な仕事です。産地や生産者、さまざまな商品と消費者をつなぎたい、物事を深堀したい、そんな思いをもつ人に、ぜひ一度見学に来て欲しいと願っています。

「ムダのない空間に驚きました!」

小須田: 今回の訪問でスーパーマーケットのイメージががらりと変わりました。お客様の視線を誘導するアイデアが緻密に張り巡らされている場所。結果が反応でわかるのも、舞台と同じ。お客様の満足のために、熱く楽しく取り組んでいる皆さんに深く共感しました。

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